◆世界水フォーラム 平成15年5月30日

 第3回世界水フォーラムの特別プログラム「水と国会議員」には、国内外の国会議員39名が出席し活発な議論が行われました。
 私も出席し、世界的な流れとなっている「水の民営化の問題点」と「水の様々な側面について研究する組織の必要性」について発言をしました。
 その発言内容と会議議事録をご紹介しますのでご覧ください。

世界水フォーラム

○ 水の民営化の問題点

 水の民営化の話が出ましたので、その点について意見を申し上げたいと思います。私は、長く河川行政に携わってまいり、一応ですが水の専門家として国会議員をやらせて頂いています。日本の伝統的な主張に基づき、これからの世界平和に我々として、どのように貢献していくかということを考えたときに、水の民営化の問題は大変重要な問題であると考えています。
私は、民営化、いわゆる俗に言う水の民営化には反対の立場であり、そういう立場で少し意見を申し上げたいと思います。

 水は、純粋な意味での公共財ではないかもしれませんが、我々としては「パブリックオーナーシップ」という意味での公共財として考えられなければならないと思っています。水は、言うまでもないことですが、我々人間の命の源でもあり、また生活の基礎を支えるものです。生活を維持していくために最低限必要な量と質というものが当然あるわけで、貧富の差により、あるいは社会的な立場の違いのよってアクセス、その確保が困難になったり、容易になったりするということでは、やはりいけないのではないかと思います。

 日本においては、歴史的にも、また現行の法律制度においても、基本的には水は「パブリックオーナーシップ」として考えられてきています。従って、水を私的財として考えることは、我が国、日本の歴史と現行の法律制度を否定するということにもなりかねないわけで、私たちとしては、どうしても水の民営化には、基本的には反対せざるを得ないのではないかと考えます。

 ただし、水を公共財として管理するその体系の中で、民間のノウハウだとか資金をいかに活用するかということは、やっぱり色々と考えていかないといけないだろうと。PPP理論などもありますけど、そういったものを大いに考えていくべきではないかと思います。
具体的に3点ほど申し上げたいと思います。

 1つは、土地を持たない人たちには、飲料水にしろ、かんがい用水にしろ、土地所有者に比べて水へのアクセスが制限されていると思います。従って、水に対するアクセスを人権として制度化することが、やっぱりどうしても必要であると思います。日本の場合、水は土地と分離されてきましたし、現在もそうです。この視点が1つあります。

 それから、2点目でありますが、国際キリスト教大学教授の高橋カスミ先生によりますと、上下水道への投資額は、全世界で年間約800億ドルであるが、2025年までには全世界の人々に安全な水を供給するということで、年間1,800億ドルが必要だと言われています。大変なことだと思います。

 公共部門の投資だけでは、なかなかそれを賄うことがやっぱり困難であろうと。どうしても民間資本の導入、あるいは受益者負担というものを考えていかなければならないのではないかと。そういうところでPFI(パブリック・プライベート・ファィナンス)、PPPとも言いますけど、そういった手法を大いに研究していく必要があるのではないかと。

 3点目は、管理のあり方ですが、水の関係は治水・利水・農業とまことに多面的であり、利害関係も大変複雑、多いわけです。流域の関係者、それは地域住民、企業、NPO、関係行政機関などの代表が一体となって管理を行う、いわゆる統合的な水管理制度が創られていかなければならないのではないかと、そこに大いに力を入れていかないと思います。

 今度の第3回世界水フォーラムで、ひとつ特徴的なことは、統合的な水管理制度というものをこのフォーラムで打ち出せるのかどうかということが、ひとつポイントがあろうかと思います。

 現地住民の方が、色々積極的にセッションに加わっておられます。ここで言う地域住民の代表には、当然、原住民の皆さんが含まれるわけです。原住民の参加なしに統合的な水管理制度というのは、あり得ないと思いますけど、そういった意味で、幅の広いというか、これからの理想的なあるべき総合的な水管理制度というのを我々は考えていかないといけないと思います。

 従って、一概に水の民営化と言っても、なかなか複雑であり、慎重に考えていかないといけないのではないかと思います。

○水の様々な側面について研究する組織の必要性

 今日のいろいろなお話をお聞きして思いますのは、日本としてこれから水の関係で国際的にどういう貢献ができるのかということは、私ども国会議員としても大いに議論をしていかないといけないのではないかということを強く感じました。それから同時に、21世紀は水の世紀であると、まさに21世紀は平和の時代でなければいけないと思いますが、その鍵をやはり水が握っている、国際河川が握っていると言うことであるとすれば国連という組織になるのか、どういうことになるのかわかりませんが、いろんな組織的な面、あるいは技術的な面、あるいは資金的な、経済的な面等々、やはり総合的に研究する、各国が力を合わせて研究するような組織が要るのか要らないのか、要るとすればどういう組織でなければいけないのか。そのようなこともちょっと、色々と議論を深めていく必要があるのかなと思います。

 我が国としましては、いろんな水に関する経験を歴史的にも持っています。昨今も大変、ダムの問題もありますし、喫水域の問題、諫早干拓の問題もあったり、地中海の問題もあったり、いろんな苦い経験、いろんな経験をしておりますので、そのような経験も国際的にどう生かせるのか生かせないのか、考えていかないといけないと思いますが、ひとつそういう、日本国内もそうですし、それから国際的にも水と、水の様々な側面について研究するような組織が必要ではないかということを強く感じましたので、感想としてちょっと申し上げたいと思います。

「水と国会議員」の全発言については、下記のサイトでご覧ください。

http://www4.osk.3web.ne.jp/~globejp

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