謹賀新年

・・・ジオパークを夢見て・・・



平成20年元旦
国土政策研究会
会長 岩井國臣




 文芸春秋の先月号(平成19年12月号)に藤原正彦さんが「教養立国ニッポン」という題で、経済至上主義では人心が乱れてくにが滅ぶという・・・救国の提言をなさっている。内容について、皆さんはどうお感じになったか判らないが、私は藤原さんとほとんど同じ考えである。経済は重要だし、一連の経済改革も必要だが、経済至上主義はいけない。日本は、経済とともに教養も同じ程度に大事にされなければならないと私は思う。
 また、潮の先月号(平成19年12月号)に文化庁の長官・青木保さんが「<文化力>が日本の存在を輝かせる」という題で、日本文化を発信するために国家的戦略が必要なことを訴えている。その中で、青木さんは、「海外からの観光客はこれまで年500万人超、昨年は700万人台に達したという報告もありましたが、ここ2、3年で増えているとはいうものの、インドネシアやタイなどの約2000万人、中国の約5000万人、フランスの約7000万人などと比べると、これだけの経済大国で、しかも長くて深い歴史と独自の文化を持っている国にしては、少々さびしい気がします。」と言っているが、私もまったく同感である。いや、さびしいなどというよりも、私は、むしろ情けない思いがしている。
 <文化力>という言葉は悪くはないが、ちょっと誤解を与えるかもしれない。というのは、どんな国でも文化はある訳で、したがって<文化力>はそれなりにあるわけである。しかし、日本が今考えねばならないことは、日本の経済力と相まって、日本が世界平和に与える影響力である。そのことをきっちりと認識できていないと、日本文化を発信するために国家的戦略が必要なことを一般には理解できない。日本の「歴史と伝統文化」の心髄は何か、またそのことが世界平和とどう繋がっていくのか。

 「ジオパークの演劇性」に書いたように、日本の「歴史と伝統・文化」の心髄が「違いを認める文化」にあり、そういう意味では、日本では歴史的に見て「平和の原理」が働いてきたといえる。それを「平和の論理」として世界の人びとに語って行かなければならない。私が「劇場国家にっぽん」と言ったり「文化観光」の重要性を訴えているひとつの理由はそのためだ。そして、私が、わが国の「ジオパーク」を推進しようとしているのは、その演劇性にあり、万年前からの「歴史と伝統・文化」をビジュアルに見せるためである。私が「劇場国家にっぽん」と言っている所以である。私が「劇場国家にっぽん」と言ったり「文化観光」の重要性を訴えているもうひとつの理由は、地域の活性化のためできるだけ多くの外国人観光客に来てもらうためである。できるだけ多くの外国人観光客に来てもらうためには、観光資源として、これからの新しい文明を創造するために役立つというか、これからの生き方に重大な示唆を与えうる・・・文化的価値の高いものが必要である。しかもそれが唯一日本にしかないとなれば、外国人向けの観光資源としては最高のものとなる。



 なお、昨年は、広島と札幌でジオパークをテーマとした講演会があった。次は、そのときの私の用意した映像であり、念のために紹介しておく。

究極の観光資源・まちづくり

ジオパークは北海道を変えるか?


 また、昨年は、白滝ジオパークの関係で、3回、現地でセミナーをやった。次は、そのときの私のテキストであり、念のために紹介しておく。

地域の持続的発展とは何か?


黒曜石文化とは?

子どもの教育の原点は何か?