ジ オパークとは?
 
 
 
あ とがき・・・日本らしいジオパークを目指せ!
 
 
 
  ジオパークを地球公園というのは言い過ぎであるが,地球とか大地とか自然とかがいちばんの目玉となる公園であることは間違いがない。まずそのことを申し上 げたい。地球とか大地とか自然とかを最大の観光資源とするのである。したがって,観光開発も観光案内も,私がいうシビルエンジニアの活躍がないとダ メ・・・・ということである。シビルエンジニアの活躍の場がここにある・・・・ということだが、それだけではない。 
  そもそも建設業にはどういう役割があるのか。これからまた見直されることもあるかもしれないが,従来の公共事業については今後の見通しは今のところあまり ない。しかし,それは従来の公共事業についてであって、公共事業そのものについては,観光というものを考えたとき,まだまだやるべきことが多々あるので あって,その見通しは明るい。だとすれば,建設業が中心になってジオパークを進めていけば,わが国における公共事業はまだまだこれから・・・ということに はなりはしないか。今まで,公共事業は産業基盤あるいは生活基盤という観点から進められてきた。しかし,これからは観光という視点に立って公共事業を進め なければならない。これからは観光の時代だ!
 
  さて,私は声を大にして建設業のみなさんに訴えたいのだが,これからは、官主導の時代ではなく,民主導の時代である。公共事業でいえばPFIの時代であ る。PFIは、ご承知のように,本来,計画も民間がやるべきで,その主導権はSPC(特別目的会社)が握っている。私は,思うに,ジオパークの場合, SPCの中で,建設業が大いにその役割を発揮してほしい。やや極端な言い方だが,これからの公共事業は、その盛衰を建設業のみなさん自身が握っている。
 
  これからは観光という視点に立って公共事業を進めなければならない。私は,その牽引役は建設業だと今言っている。そこで,私は,皆さん方に声を大にして訴 えたいことがもうひとつある。観光はただ単に経済的な側面だけでやるのではない。世界平和のためにというか,世界平和を願って・・・国際貢献のためにやる のだ・・・・・ということだ。
 
 
  PFIの対象となる公共施設は「民 間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律」の 第2条に明記してあるが、観光施設ならびに関連施設で管理者のはっきりしないのが博物館である。阿蘇火山博物館は民間の博物館としてこれまで21年あまり 維持されてきた。これは計画当初から熊本大学や熊本市博物館などの専門家によって展示内容が綿密に吟味され、充実した構成と学術的にも確かな内容となって いることが大きな要因となっている。上述したような専門家と地域リーダーの研究会ができれば、阿蘇火山博物館のような民間の博物館も可能ではなかろうか。 また,私は,神社仏閣やホテル旅館などの経営からなるミニ博物館も可能でなかろうかと考えており,これからの大きな課題だ。行政が建設する博物館は,市町 村レベルのジオパーク,都道府県のジオパーク,ナショナルレベルのジオパーク,ユネスコレベルのジオパークなど,そのレベルによって事業主体が異なってく るかもしれない。
  民間か行政かも含めてその事業主体がはっきりしないのが博物館である。しかし,博物館がジオパークの命であるので,ジオパークを進めていく場合,博物館を どのように作っていくかが大変大きな課題である。「日本ジオパークモデル化検討会」でも真剣な検討を進めなければならない。
 
 
   私 たちは、2007年8月に日本ジオパ−ク・モデル化研究会を設立し、対面会議(2ヶ月1回程度)や現地集会などを開催し、活発な研究・調査活動を開始し た。
 
  日本ジオパ−ク・モデル化研究会では、ヨ−ロッパ型あるいは中国型ジオパ−ク(後述)とは一線を画する、『日本的なジオパ−クの建設』へ向けて、その具体 的理念、手法の開発、制度設計、さらには集客・誘客プログラム、ビジネス創発(雇用の創出等)をも視野に含めた、極めて総合性の高い議論を展開した。
 
  ジオパ−クの理念についても、中国型ジオパ−クと異なり、地質学の領域を超えて、地質学的特性、並びに地理的特性、生態系、歴史性及び文化軸などの5点を 関係する学問領域とし、地域の誇りに配慮したモデル化を推進することが前提となっている。
 
  すなわち、地域によっては、地質学的観光資源には乏しいが、他のGEO自然インフラを基礎とした歴史的意義ないし文化的意義(歴史性ないし文化性)の高い 地域も、これを1つのジオパ−クの型(モデル)とみなしていく考え方である。わが国の場合、地質学的観光資源だけでは、海外の観光客にとってたいした魅力 を感じてもらえるのかどうか、はなはだ疑問である。それよりも、上述のように、地質学的特性、並びに地理的特性、生態系、歴史性及び文化軸などをお総合的 に検討し、地域の光り輝くものを浮かび上がらせて、それを見てもらった方が良い。そのような意味で、本研究会の活動は極めて、総合性・統合性・包容性の高 い検討を行っており、これまで始められている地質学会などが中心となった「地質学に特化した活動」とは全くその性格を異とするものであり、さらにはそれを 包括するものと自負しているところである。
  ジオパークは、公園それも地域まるごと公園であり地域づくりそのものである。したがって、これはシビルエンジニアの仕事であり、建設業の新たな進出分野で ある。過疎地域はこれからの日本のフロンティアであり、その発展性が約束されていると思うが、建設業は過疎地域における第6次産業に積極的に挑戦すべきで ある。建設業の生きる道はそれしかない。建設業がそれに気がつけば、その前途は隆々たるものがある。今からでも遅くはない。建設業のみなさん、シビルエン ジニアのみなさん、過疎地域の第6次産業に挑戦し、観光開発に全力を入れようではありませんか。