一帯一路について


2017年10月15日

国土政策研究会

顧問 岩井國臣




一帯一路(いったいいちろ)とは、2014年11月に中国で開催されたアジア太平洋経済協力首脳会議で、習近平が提唱した経済圏構想である。


中国西部から中央アジアを経由してヨーロッパにつながる「シルクロード経済ベルト」(「一帯」の意味)と、中国沿岸部から東南アジア、スリランカ、アラビア半島の沿岸部、アフリカ東岸を結ぶ「21世紀海上シルクロード」(「一路」の意味)の二つの地域で、インフラストラクチャー整備、貿易促進、資金の往来を促進する計画である。


習近平は、2013年9月、カザフスタンで、対外的には初めて「政策上の意思疎通、道路の相互連結、貿易の円滑化、貨幣の流通、民心の相互疎通」のいわゆる「五通」強化を提起し、「シルクロード経済ベルト」の共同建設という 提案を行った。その後、2014年11月に中国で開催されたアジア太平洋経済協力首脳会議で、習近平が正式 に「一帯一路」構想を、提唱した。


しかし、私は、「近代国家の責任・・・国際社会は何ができるか」という論文を書いた2015年10月の時点では、「シルクロード経済ベルト」とか「一帯一路」戦略は単なる構想で、その実現性は極めて薄いと考えていた。ところがごく最近、「習近平政権の新理念」・・・人民を中心とする発展ビジョン(胡鞍鋼、2017年9月13日、日本僑報社)という本が出た。目から鱗が落ちた感じである。


従来の西側の覇権的な戦略に対して、歴代中国王朝の対外関係を見れば、覇道でなく、王道である。漢以後の歴代での異民族との戦争の特徴は、人種の衝突ではなく、文明の争い、ジェノサイドが発生しなかった。平和的なのである。継続性、包容性、開放性及び平和性という中華文明のコアの部分は、これからの一帯一路戦略の特徴に必ず反映していく。

一帯一路構想ならびにそのための中国の大きな投資は、中国が発展途上国とのwinwinの関係を真剣に考えていることを十分に物語っている。「一帯一路」建設を通じて、世界は、沿線国と発展のチャンスを分かち合いwinwinの関係を実現する中国の行動を目にし、中国という国を真に理解するようになるであろう。特に日本には、経済大国として、資金面でも技術協力の面でも、一帯一路構想を積極的に支援してほしい。



そのような観点から書いた論文が「一帯一路について」という論文である。


http://www.kuniomi.gr.jp/geki/iwai/ittaiitironi.pdf







前回までの目次

http://www.kuniomi.gr.jp/geki/iwai/index00.html



なお、一連の電子書籍を出版した2012年以前のWhat’sNewは、

http://www.kuniomi.gr.jp/geki/iwai/huruiWN.html