安房一の宮について


2015年4月3日

国土政策研究会

会長 岩井國臣



日本の歴史の中で平安時代がいちばん平和な時代であったと言われている。平安時代のどこに平和の原理が隠されているのか? 当時、ちょうど平安遷都1200年ということもあって、私は, 平安時代のどこに平和の原理が隠されているのか・・・ そんな疑問を持ちながら,「怨霊,妖怪,天狗」の勉強をはじめた。平安時代というのは,怨霊のうごめく時代であった。多くの権力者が「呪い」におびえる時代であった。そういう時代がなぜ歴史上いちばん平和な時代になったのか? その秘密は,どうも御霊神社がそうであるように,「祈り」にあるようだと気がつきながら,私は、これから私の哲学の勉強をどう進めていけば良いのか,はたと困ってしまった。そのような折に、 中沢新一の「精霊の王」(2003年11月、講談社)の勉強をしながら、「劇場国家にっぽん」のおいて、「和のスピリット」というページを作ったのであった。


しかし、その後、洲埼神社を訪れたことがひとつのきっかけになって、ホト神様に関していろいろと考え、現地にも出かけていって、 「花園神社」「宝登山神社」のページを書き上げたので、ここに紹介しておく。


http://www.kuniomi.gr.jp/geki/iwai/hanazono.pdf


http://www.kuniomi.gr.jp/geki/iwai/hodosan.pdf




人びとがホト神様に祈れば、どういう御利益があるか?  人びとがホト神様に祈れば、 人びとは本当に豊かな人生が送れるのか? ホト神様は、国というものがなかった時代から、宗教というものがなかった時代から、限られた特定の人たちかもしれないが、それなりの人びとによって延々と祈られてきた。その場所が、現在、神社として存在していれば、ホト神様に対する祈りは、神に届きやすい。だから、「洲埼神社」「花園神社」「宝登山神社」は、強力な「バワースポット」になっているのである。また、桜井徳太郎 によれば、日常生活を営むためのケのエネルギーが枯渇するのが「ケガレ(褻・枯れ)」であり、「ケガレ」は「ハレ」の祭事を通じて回復する。だから、そういうところの祭にはせいぜい出かけて行って、祭りを楽しんでもらいたい。


安房一の宮・洲崎神社の「ミノコオドリ」は、1961年(昭和36年)に千葉県の無形民俗文化財に指定され、1973年(昭和48年)には国の無形民俗文化財に選ばれた素晴らしい祭りである。 




一つの 令制国(りょうせいこく)に一の宮が二つあるのは珍しいが、安房の国以外にもない訳ではない。しかし、私は、安房の一の宮である安房神社と洲埼神社のを論ずることは、神社というものの生い立ちを理解する上できわめて大事だと思うので、「 安房にはなぜ二つの一の宮があるのか? そして、どちらの方がより古いのか?  」、そういったことを考えながら、私は、旧石器時代または縄文時代の信仰形態が現在の神社にどのように繋がってきているのかを明らかにしたいと考えた。


ご夫婦の神様を祀った神社は全国に安房しかない。何故か? 安房神社の他に洲崎神社を創建せざるを得ない特別の事情があったのではないかと思われるが、その事情とは何か?


「安房一の宮」という次に紹介する論文は、その事情を探ったものである。

http://www.kuniomi.gr.jp/geki/iwai/awaitinomiya.pdf 







タイの思い出


2015年4月3日

国土政策研究会

会長 岩井國臣



私は、参議院の決算委員長をしていた頃、第一回ODA調査のため、タイに初めて行ったことがある。その時タイの歴史伝統文化に触れ、大きな感動を覚えたので、それを思い出しながら、私が感動を覚えたその所以をお話ししたい。


毎朝の散歩で必ず目にするのは、托鉢の僧侶と喜捨する人びとの姿である。

毎朝の散歩で必ず目にするもう一つのものは、街かどのいたるところに設置されている祠とお祈りをする人びとの姿である。


これらの風景を見てまず感動したのは、タイは聞きしに勝る仏教国だということだ。そこで、私は休みの日に、タイでもっとも有名なチェンライ<エメラルド寺院>という大寺院に行った。


これまた驚きで、歴史上、タイにも聖武天皇のような人がいて、仏教を国教として国を治めたことがあったのだ。だからこそ、仏への信仰心が人びとの心に染み込んでいて、それがタイの国民性になっているのだと思う。


タイ族が11世紀ごろに現在のタイへ下って来た当時は、タイ族はピー信仰(精霊信仰)を信仰していたが、上座部仏教マウリア朝アショーカ王の時代にインドから主に南方のスリランカ(セイロン島)、ビルマ、タイなど東南アジア方面に伝播した。


上座部仏教が最大の勢力を持つ宗教として成立するのはラームカムヘーン王(在位・1279年~1300年)の時代である。後に王に即位したリタイ王(在位1347年~1368年)は、衰えて行くスコータイ王朝を仏教思想で立て直そうと、タイ族の君主として初めて出家を行い、仏法王と名乗った。これは大仏を建てることで、天皇の権威を高め国政を安定化しようとした聖武天皇のケースと似ている。


以上述べたように、タイの仏教は、中国から伝わったものではなく、インドから直接伝来したもので、その点が日本の場合と基本的に異なっているようだ。だから、密教はないし、禅宗や日蓮宗のようなものもない。日本の仏教とタイの仏教とどちらがいいのかということことは、一概に言えないが、タイの人びとの信仰心を見ている限り、タイの方が私には親しみやすい。





私は、朝の散歩でスラム街に迷い込んだことがあった。しかし、身の危険性はまったく感じなかった。タイでは、スラム街に住むような人たちでも、穏やかな人たちが普通のようで、これもタイ仏教のお陰であるようだ。



インド伝来文化、その典型がタイ仏教だが、他にそのようなものがないか調べてみた。あった。タイの格闘技カラリパヤットである。


インドの格闘技のカラリパヤットが伝わって形成されたことから、伝説では『ラーマーヤナ』のラーマ王子を始祖としている。しかしながら、古式ムエタイがいつ興ったものかははっきりしていない。タイの関わった戦争の中で各民族の戦闘術と関わりながら徐々に発展していった素手素足の格闘の技術が古式ムエタイの原型になっているようである。

タイがミャンマーの属領とされていた1584年頃に、ナレースワン大王が、ミャンマーのタウングー王朝との戦争に勝って独立を回復したのだが、この時に、古式ムエタイが兵隊たちの戦闘能力に大きな役割を果たしたとされた。

カラリパヤットはインド南部のケララ地方発祥の古くから伝わる武術だが、それがタイに伝わって古式ムエタイを生み出したらしい。


インドには元々ドラヴィダ人が住んでいた。そこにアーリア人 来て住み着き、文化を築いた。南に残ったケララ一帯ではドラヴィダ人によるサンガム文化が発達した。サンガム文化では尚武の気風を尊んだ為、ドラヴィダ武 術が発達していった。 その後、西から異民族が攻めてきたので、一部のアーリア人が南下した。そこでアーリア人が身に着けていた武術と、ドラヴィダ武術が合わさってカラリパヤッ トの祖形が出来たといわれている。


伝説によれば、禅宗(「座禅」もヨガである)の僧・達磨大師がインドの格闘技を中国に伝道した。その際に禅の修行に僧達が耐えられるように、心身を鍛える術を記した『洗髄経』『易筋経』を与えた。それが現在の少林寺拳法になったと言われている。この武術がカラリパヤットかどうかは不明であるが、達磨が南インド出身である事から、何らかのドラヴィダ系の武術とみられている。そのため、ドラヴィダ系の武術は、少林寺拳法や古式ムエタイ、琉球唐手等のアジア武術の元祖ともよばれる。


タイの格闘技カラリパヤットは、まちがいなくインド伝来文化である。タイの文化はインド文化と深く繋がっている。


タイの観光がどのようなものか私はあまり詳しくないが、少なくとも大寺院チェンライ<エメラルド寺院>は一見の価値があるし、是非、バンコクには一度は出かけ欲しい。その際、一二泊ほど予定を増やし、じっくり朝の散歩を楽しんでもらいたい。人びとの暮らしぶりがよく判るだろう。タイには、多くの人々が朝の散歩に出かけ、ジョギングをしたり、体操をしたり、さまざまな楽しみ方をしている立派な公園がある。その様子を紹介したホームページがあるので、それをここに紹介しておこう。このような立派な公園は日本にない。

http://4travel.jp/travelogue/10747529



ホテルを出て、ぶらぶら朝の散歩をしていた時、スラム街であったろうかそれとも別のところであったであろうか、精霊を祀ってあると思われる面白い祠を見た。タイの「ピー信仰」に間違いない。


この「ピー信仰」は、タイ族の原始宗教であるが、精霊信仰である。タイには、もう一つ面白い信仰として男根信仰があるようだ。私には、男根信仰の象徴である塔を大寺院チェンライ<エメラルド寺院>で見た記憶がある。


タイの舞踊がどの国と深い繋がりがあるのか、私にはよく判らないが、インドネシアと深い関係があるように思われてならない。それがそうだとすれば、タイは太平洋文化圏にも属す訳で、今後、海洋国家としての発展も大いに期待できるのではなかろうか。その点でも日本は、タイとの友好親善をさらに深めなければならない。


タイは不思議な国である。東洋の二大文化、インド文化と中国文化の間に挟まれて、独特の発展をしてきた。



詳しくは次をご覧いただきたい。

http://www.kuniomi.gr.jp/geki/iwai/tainobunka.pdf






インドネシアとマダガスカルの思い出


2015年4月3日

国土政策研究会

会長 岩井國臣



私の若い頃、まだ河川局治水課の課長補佐の頃ですが、JICAの仕事でソロ川のダムの調査に行ったことがあります。私は先日77才になりましたが、年を取ると昔がいろいろと懐かしくなるものですね。今頃になりインドネシアが懐かしくなりました。そこで、当時を思い出しながら、YouTubeを作りました。インドネシアの思い出を一言で言えば、ブンガワンソロのメロディーに込められているように思われます。インドネシアの素晴らしさは、自然と言い歴史伝統文化と言い、ブンガワンソロのメロディーのとおりです。

https://www.youtube.com/watch?v=ppJySVPmwo4


ブンガワンソロの歌と言えば、次がお勧めです。

https://www.youtube.com/watch?v=Amnpel6EpdU



また、参議院議員の時にマダガスカルに二回行ったこともあります。国に対してインドネシアほどの愛着はありませんが、旅そのものは苦労もしたし、国会議員としての働きもそれなりにしてきましたので、思い出深いものがあります。マダガスカルへの友好親善訪問は、私の苦労して作った記録がありますので、この際、それを紹介しておきたいと思います。皆さんの知らないことが沢山ありますので、是非、つぶさにご覧いただきたいと思います。


http://www.kuniomi.gr.jp/togen/iwai/msosen.html


http://www.kuniomi.gr.jp/togen/iwai/diegosu1.html


http://www.kuniomi.gr.jp/togen/iwai/diegosu2.html


http://www.kuniomi.gr.jp/togen/iwai/diegosu3.html


http://www.kuniomi.gr.jp/togen/iwai/diegosu4.html


http://www.kuniomi.gr.jp/togen/iwai/4yuusi.html


http://www.kuniomi.gr.jp/togen/iwai/sanpai.html





奈良のお水取りの秘密


2015年4月3日

国土政策研究会

会長 岩井國臣



奈良東大寺の「お水取り」に先がけて、神宮寺ならびに遠敷川(おにゅうがわ)・鵜の瀬(うのせ)でおごそかに繰 (く)り広げられる伝統的な神事がある。毎年32日に行われ、奈良東大寺・二月堂への「お水送り」となる神事である。春を告げる行事として全国的にも有 名な奈良東大寺二月堂の「お水取り」。その水は、若狭小浜の「鵜の瀬」から送られ、10日かかって東大寺二月堂の「若狭井」に届(とど)くとされている。 それが古くから伝えられている「若狭井」の伝説である。

その神宮寺であるが、和銅7年(714)、白石明神直系の「和の朝臣・赤麿(あかまろ)」が神願寺を建立し、遠敷明神(おにゅうみょうじん)をまつったのが神宮寺の始まりである。

狭では、良弁(ろうべん)は、若狭小浜の下根来(しもねごり)(白石)出身とされているが、大仏建立に、良弁は当時若狭にて修行中のインドの渡来僧・実忠 (じっちゅう)が招いたという。そして、天平勝宝4年(752)、その実忠が東大寺二月堂を建立し、修二会(しゅじえ)を開いて全国の神々を招いた。とこ ろが、遠敷明神が漁に夢中で時を忘れて遅刻(ちこく)し、そのおわびに本尊(ほんぞん)に供えるお香水を若狭から送ると約束したという。そして、二月堂の 下の岩をたたくときれいな水が湧(わ)き出したと伝えられ、その湧水(ゆうすい)に命名されたのが「若狭井」である。

のちほど、NHKの特別番組 で放送された「二月堂お水取り」を紹介するが、その中に、「若狭井」からお香水を汲む音が出てくるのでしっかり聞いてもらいたい。「若狭井」の中にカメラ を入れることは許されないのだそうで、その音が録音されただけでも誠に貴重なものである。さすがNHKですね。


https://www.youtube.com/watch?v=bJQg8P71t9I


なお、奈良のお水取りのルーツである火祭りについては、私の書いたものがあるので、この際、ここに紹介しておきたい。


http://www.kuniomi.gr.jp/geki/iwai/himaturi.pdf






前回までのWhat’sNew

http://www.kuniomi.gr.jp/geki/iwai/index05.html





なお、一連の電子書籍を出版した2012年以前のWhat’sNewは、

http://www.kuniomi.gr.jp/geki/iwai/huruiWN.html

です。