安保法制に関連して・・・私たちの歴史観はどうあるべきか?




2015年8月26日

国土政策研究会

会長 岩井國臣




自民党の国防についての国民に対する説明が足らない。そのために、このたびの安保関連法案について、なかなか国民の理解が得られない状況になっているのではないか。「70年談話」については、国民の一定の評価が得られているのに、集団的自衛権の行使に関わる国防の基本的な問題が現在のように国民の理解がなかなか得られない状況にあるというのは誠に残念なことである。


6月8日の読売新聞は一面に安倍内閣の支持率が低下したという世論調査結果を掲載した。そして、その理由として、安保法制案が国民に理解されておらず、反対が賛成を大きく上回っていると書いた。また、8月15~16日に行なわれた読売新聞社の世論調査によると、安倍総理の「70年談話」を「評価する」と答えた人は48%で、「評価しない」の34%を上回った。先の大戦への「痛切な反省と心からのおわび」を表明した、歴代内閣の立場を引き継ぐ考えを示したことを「評価する」は72%に達し、「評価しない」の20%を大きく引き離しており、談話を好意的に受け止める人が多かった。そして、「70年談話」で、「先の世代に、謝罪を続ける宿命を背負わせてはなりません」と述べたことに関して、今後も日本が「謝罪を続ける方がよい」とした人は27%で、「そうは思わない」が63%に上った。


集団的自衛権の行使に関わる国防の基本的な問題というのはたしかに難しい問題である。それを国会審議を通じて国民の理解を得るというのはそもそも無茶な話であって、私は、法案提出よりもっともっと以前から自民党が国防についての国民に対する説明をしっかりしておけば、 このたびの安保関連法案(集団的自衛権)についても国民の十分な理解が得られた筈だと思うのである。今の状態では、安保関連法案を成立させるには強行採決しかなく、そのこと自体が国民の内閣不信を増長するであろう。残念なことである。したがって、私は、その国民感情を和らげ、安倍総理が安保法案を国会に提出し勇気を持って成立させたことの正しかったんだということを後で国民が気づくように、この論文を書くことにした。


わが国の国防問題は、歴史認識に関わる問題であって大変難しい問題である。佐伯啓思は、「日本はアメリカの従属国家である」と言っているが、そのことの理解も難しい。



佐伯啓思の認識のとおり日本はアメリカの従属国家であるとはいえ、そのお陰で、日本は今後世界の列強に侵略される心配は無くなっている。したがって、日本は強力な「主体」として世界史的役割を果たさなければならないという状況にはない。そこで私が考えるに、日本は、アメリカの従属国家のまま、 脱主体化という「日本的精神」を生きていけば良いのである。


また、わが国の国防問題が歴史認識に関わる問題であることの理解も難しい。日本とアメリカは海洋国家であって、その関係を理解するには、「文明の海洋史観」という歴史観を持っていなければならない。


以上のような認識に立って、「安保法制に関連して・・・私たちの歴史観はどうあるべきか?」を書いたのが、次の論文である。


http://www.kuniomi.gr.jp/geki/iwai/anpokanren.pdf






前回までのWhat’sNew

http://www.kuniomi.gr.jp/geki/iwai/index14.html






前回までの目次:http://www.kuniomi.gr.jp/geki/iwai/index00.html




なお、一連の電子書籍を出版した2012年以前のWhat’sNewは、

http://www.kuniomi.gr.jp/geki/iwai/huruiWN.html