最初の日本人について



2016年1月23日

国土政策研究会

会長 岩井國臣



NHKの「日本人はるかな旅」という特集番組(第1集「マンモスハンターシベリアからの旅立ち)は、ロ シアのバイカル湖地方マクソホン村のマリタ遺跡についての取材もあって、さすがNHKならではの素晴らしい特集番組である。

https://www.youtube.com/watch?v=Bsd1Tk-A1ZY


しかし、それを見ていると私たち日本人のルーツがあたかもロ シアのバイカル湖地方にあると思ってしまう。これは真っ赤なウソである。



私は、すでに論文「邪馬台国と古代史の最新」の第2章第2節に書いたが、 「ヨーロッパ人」と別れて東に向かったホモサピエンスの一団は、大きく二つのルートに分かれる。故郷アフリカの温暖な気候を求め進んだ「南回廊」と、極寒のシベリア平原を進んだ「北回廊」である。 二つの道を別々に歩んだわれわれの祖先たちは、それぞれ旅の途中で人類史上に燦然と輝く偉大な記録 を残している。北回廊を歩んだ人々は、温暖地方でしか生きられなかった人類にとって初めての「寒冷地克服」という快挙を成し遂げた。そして南回廊にコマを 進めた人々は、陸地しか移動できなかったヒトが、初めて海を渡るのに成功するという「海洋適応」を果たしたのである。




北回りのモンゴリアンは主としてロ シアのバイカル湖地方に向かい、南回りのモンゴリアンは日本列島に向かい、それぞれ自然条件をうまく克服した結果、人口を急激に増やしていく。そして、ロ シアのバイカル湖地方の人びとは、ベーリング海峡を通ってアメリカ大陸を南下していく。人類はるかな旅の終盤である。




バイカル湖地方のマリタ遺跡は2万3000年前の遺跡である。そして、ロ シアのバイカル湖地方からやってきた人たちの子孫が「湧別技法」を白滝で完成させたのが約2万年前のことである。これらの人たちの先祖がスンダランドにいたのが、5万年前。

スンダランドから日本列島に南回りのモンゴリアンがやってきたのは、4万年前から3万年前。それらの先祖がスンダランドにいたのも、5万年前。



北回りのモンゴリアンも南回りのモンゴリアンも、ともにスンダランドが故郷である。しかし、スンダランドは、その後の急激な海面上昇によって水没し、今はない。もし現存していたら、バイカル湖地方の人たちの遺伝子も、私たち日本人の遺伝子も、スンダランドの人たちの遺伝子と同じものである筈である。スンダランドは今はないので、バイカル湖地方の人たちと私たち日本人の遺伝子が似ているということだけが今確認できるだけである。私たち日本人の祖先は、あくまでもスンダランド人であって、バイカル湖地方の人たちではない。バイカル湖地方の人たちは、私たち日本人の祖先ではなく、いわば兄弟なのである。


冒頭に紹介した NHKの「日本人はるかな旅」という特集番組(第1集「マンモスハンターシベリアからの旅立ち)は、その点で間違っているのである。それを説明したのが次の論考である。


http://www.kuniomi.gr.jp/geki/iwai/saisyono.pdf







前回までの目次

http://www.kuniomi.gr.jp/geki/iwai/index00.html






なお、一連の電子書籍を出版した2012年以前のWhat’sNewは、

http://www.kuniomi.gr.jp/geki/iwai/huruiWN.html