内村鑑三の「代表的日本人」


2016年2月26日

国土政策研究会

会長 岩井國臣



内村鑑三は、人間を超えたものの存在「天」のことを書いた。人は「天」に導かれるとき、どのような人生を切り拓き、苦悩や試練と向き合うことができるのか、ということを書いている。それが内村鑑三の「代表的日本人」である。


「代表的日本人」は、古くは日蓮に発した心の働きが、西郷隆盛まで脈々とつながり、ついに自分に到達したということを述べた本でもある。


日蓮に発した心の働き、それは「天を意識した心の働き」ということであるが、「天を意識した心の働き」というものが日本人にはある。その代表が日蓮、中江藤樹、上杉鷹山、二宮尊徳、西郷隆盛である。内村鑑三はそう言っているのだが、私はその五人の中で西郷隆盛と日蓮を取り上げ、詳しく勉強した。特に日蓮については、その思想が大変むつかしく、「密教は国を滅ぼす原因になる」という点についてその科学的な説明ができないまま、中途半端な勉強に終わってしまってはいるが、新たな観点から日蓮の偉大さを見直すことができたのは内村鑑三のおかげである。


私は、かって「御霊信仰哲学に向けて」という論文を書いた。

http://www.kuniomi.gr.jp/geki/iwai/goryou.pdf


その論文では、日蓮の「立正安国論」についても書き、法華経の日本的展開が日蓮であると、日蓮を高く評価しているが、日蓮が「釈迦の生まれ変わり」であるという内村鑑三の考えには及ばなかった。今回、内村鑑三の日蓮論を勉強して、私も、日蓮は「釈迦の生まれ変わり」であると思うようになっている。しかし、私は、哲学として、御霊信仰哲学も法華経哲学も、梅原猛のいう「人類哲学」にまで昇華させなければならないと考えている。


内村鑑三は、その著「代表的日本人」の中で、『 日蓮没後600年を経た今日、周りを見廻すと、4000人の僧と8000人の教師を抱える5000もの寺院があります。その寺の中では150万人ないし200万人の信徒が、この人物の定めた祈りを守っているのです。』と述べているが、今さらながら法華経の威力を思わざるを得ない。しかし、法華経の教えは、日蓮の教えに留まらず、現在、梅原猛によって、「人類哲学」に発展する可能性が示唆されている。宗教としては、私も、内村鑑三が言うように、日蓮の教えが優れていると思いつつ、世界を見渡したとき、やはり法華経の教えを哲学にまで昇華させる必要があるのではなかろうか。それが梅原猛が主張する「人類哲学」である。


以上のことを詳しく論じたのが、今回の論文『内村鑑三の「代表的日本人」である。


http://www.kuniomi.gr.jp/geki/iwai/utikandai.pdf







前回までの目次

http://www.kuniomi.gr.jp/geki/iwai/index00.html






なお、一連の電子書籍を出版した2012年以前のWhat’sNewは、

http://www.kuniomi.gr.jp/geki/iwai/huruiWN.html