シルクロードと天山


2016年3月8日

国土政策研究会

会長 岩井國臣



この「シルクロードと天山について」というエッセイは、 20162月に放送されたBSフジの特別番組の放送が契機となって書いたものである。放送はウルムチの紹介から始まったが、私は、まずウルムチという都市が高層ビルの立ち並ぶ近代的な大都市であることに驚いた。


そして、放送では、「シルクロードは、天山山脈がなければ存在し得なかった」と言っていたが、私は、天山山脈付近のシルクロードについては詳しいことはほとんど知らなかったので、このエッセイを書くについてその辺の勉強から始めることとした。


放送では、天山第一氷河を取り上げ、そこに生息する「氷河マリモ」という不思議な微生物のことを取り上げているが、そもそも天山第一氷河は天山山脈の何処にあり、そもそも「氷河マリモ」とはどのような微生物なのか、その点を詳しく説明することとした。

天山山脈の氷河は、「氷河マリモ」に力で猛烈な勢いで溶けて伏流水となって地下を流れていく。それをトルファンではカレーズという地下トンネルで町に導いている。その数と総延長は半端な数ではない。そのような歴史的な知恵によって、トルファンは素晴らしい「水と緑」の町になっている。


インドのガンジス川流域で生まれた仏教は、天山山脈の南を通るシルクロードのオアシス都市、ホータン、クチャ、トルファンに伝わった 。その中でもっとも大事な仏教都市はクチャである。

クチャは鳩摩羅什の生まれ育ったところである。釈迦は霊鷲山で究極の教え「法華経」を説いた。その法華経は、まずクチャに伝わった。しかし、クチャに伝わった法華経は、ウィグル語で書かれたものである。鳩摩羅什は、母の導きの力が大きいが、修行を重ねた末、成人してから法華経の教えを中国に伝える必要から、中国語に翻訳した。その功績は絶大であり、鳩摩羅什のお陰で、天台宗が中国で誕生、最澄によって比叡山天台宗が開かれた。そして、その法華経の教えは日蓮に引き継がれて、今日の日本がある。それもよくよく考えてみれば鳩摩羅什のお陰である。クチャのキジル石窟を知らずして仏教を語ること勿れというほどのものだ。


大洞龍明という人は、2009年に鳩摩羅什顕彰会を設立され、2013年にキジ故城跡、クチャ杏花公園に鳩摩羅什の立像が建設、 そして、鳩摩羅什顕彰会では、現在、「法華経」の翻訳者・鳩摩羅什の記念館がキジル石窟の近くに建設中である。



以上の通り、鳩摩羅什に深い思いを寄せ日中友好親善を願いながら、シルクロードと天山のことを書いたのが次のエッセイである。


http://www.kuniomi.gr.jp/geki/iwai/siruten.pdf




前回までの目次

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なお、一連の電子書籍を出版した2012年以前のWhat’sNewは、

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