日本林業のあり方


2018年6月19日

都市防災不燃化協会

会長 岩井國臣



「日本林業はよみがえる」(2011/1月、日本経済新聞出版社)という本があります。著者の梶山惠司は、内閣官房国家戦略室内閣審議官をやった人で、政府の高官でもあったのです。ドイツ・チュービンゲン大学留学、日興リサーチセンター・ロンドン、フランクフルト勤務、富士通総研を経て、2009年11月よりバイオエナジー・リサーチ&インベストメント(BERI)株式会社の代表取締役社長。2001年から2003年にかけて富士通総研より経済同友会に出向し、環境問題を担当。以降、欧州の気候変動政策に関する調査研究、森林・林業再生のための研究および実践を行うという経験もお持ちです。


山村地域では、林業の衰退と ともに、地域の活力も低下し、限界集落と呼ばれる問題まで起こっています。このままでは地域そのものが消滅してしまうでしょう。このことを政府はもっと真剣に考えるべきであります。政府の取り組みがいい加減なのか、林業復活の兆しはまだ見えていませんが、梶山惠司さんは日本林業再生の可能性を指摘しておられる。彼は次のように述べておられる。すなわち、


『 現在我々が目にする森林の大半は戦後に植林されたものである。専門家によれば日本の山々はこれほどの緑があふれるのは数百年ぶりのことである。このことは苦労してわれわれの祖父母、父母やわれわれが植林した成果である。拡大造林に対しては行き過ぎだったとか、広葉樹を伐採したなど批判も多い。しかし、苦労して築き上げた森林を将来につなげ得るか、それとも徒労に終わらせてしまうかは、われわれの努力次第である。』・・・と。


本の帯に書かれているが、日本の森林は「宝の山」であり、日本は世界に冠たる林業大国になれるということらしい。


彼はさらに次のように述べておられる。すなわち、


『 戦後の植林から50年を超える森林も多くなり、いよいよ利用段階に入ることから、日本林業はまさに、本来の優位性を回復できる地位を獲得しつつある。』


『 林業を起点とする木材関連産業は、木材を加工する製材や製紙などの一時加工、木材を利用する家具や住宅などの二次加工等々伝統的な利用に加え、バイオマスエネルギーなどの古くて新しい利用形態も広がっている。さらに、これらに付随するさまざまなサービスの需要も大きく、産業の裾野が広いのが大きな特徴である。このため、安定した木材生産体制を構築できれば、木材関連の一大産業集積を興すことが可能となる。こうした産業は自ずと資源に近いところに立地するのであり、林業再生は疲弊が深まる地域経済にとって、大きな希望を与えることなるだろう。』・・・と。




「森林・林業学習館」の見解でも、「 収穫期を迎えた森林 を伐採し、植えて、育てる、そして伐採するというサイクルを回す必要がありま す。」「日本では成長した森林を活かすべき時代となったのです。」と言っているが、梶山惠司さんも「いよいよ利用段階に入る」とおっしゃっているのである。


しかしながら、梶山惠司さんの指摘するところでは、伐採も、植林も、育成も、そのやり方が間違っているという。林道の作り方も間違っているという。


どこが間違っているのか? 梶山惠司さんの指摘する間違いをこれから紹介し、日本林業のあり方を考える一助としたい。



是非、国は、日本林業のあり方を真剣に考えてほしい。政治の役割および行政の役割の重要性は絶大である。国は、林業再生、地域再生のために全力を尽くすべきである。


日本林業のあり方: http://www.kuniomi.gr.jp/geki/iwai/ringyouno.pdf






前回までの目次

http://www.kuniomi.gr.jp/geki/iwai/index00.html



なお、一連の電子書籍を出版した2012年以前のWhat’sNewは、

http://www.kuniomi.gr.jp/geki/iwai/huruiWN.html