日蓮の密教批判について




日蓮の密教批判については、まず真言密教の批判について次のようなホームページがあるのでまずそれを紹介しておこう。

http://blog.goo.ne.jp/tenjin95/e/32fdbc6fa79264531a321a9425bf4c81



この「日蓮聖人の真言宗批判について」というホームページでは、まず弘長二年に書かれたという『顕謗法抄』の文を紹介し、以下のように説明している。


真言宗には、日本国に二の流れあり。東寺の真言は、法華経は華厳経におとれり。何に況んや大日経においてをや。天台の真言には、大日経と法華経とは理は斉等なり。印・真言等は超過せりと云云。此れ等は皆悪道に堕つべしや。   『顕謗法鈔』


日蓮聖人が、真言宗を批判する見解があります。「四箇格言」でも「真言亡国」と批判されています。では、何故真言宗がダメなのか?というと、それなりに難しいお話しになっているようです。とりあえず、以下のような一文を見ていきましょう。


東寺の真言、要するに空海の真言宗の教学では、『法華経』は『華厳経』よりも下に置かれています。十住心体系ともいわれる教相判釈になりますが、空海は1・倫理道徳がない状態、2・人間の自覚をした状態、3・宗教心に目覚めた状態、4・小乗仏教の教学 を知った状態、、5・小乗仏教の教学を会得した状態、6・大乗仏教(唯識派・法相宗)、7・大乗仏教(中観派・三論宗)、8・大乗仏教(法華経・天台宗 [顕教])、9・大乗仏教(華厳経・華厳宗[顕教])、10・真言密教(大日経・真言宗)というような段階を経ます。一応、『秘蔵宝鑰』を参照にしていま すが、ここに見るように、『法華経』は、『華厳経』よりも、「真言密教」よりも低く置かれてしまいます。この辺が気に入らないのでしょう。



「日蓮聖人の真言宗批判について」というホームページの説明の途中であるが、十住心体系について勉強しておこう。十住心体系については、ウィキペディアによると次のように説明されている。


『十住心論』(じゅうじゅうしんろん)、正確には『秘密曼陀羅十住心論』は、空海の代表的著述のひとつで、830年ころ、淳和天皇の勅にこたえて真言密教の体系を述べた書(天長六本宗書の一)。10巻。


人間の心を10段階に分け、それぞれに当時の代表的な思想を配置することによって体系を築いている。真言密教こそが人間の心の到達できる最高の境地であるとしている。

  1. 異生羝羊心 - 煩悩にまみれた心
  2. 愚童持斎心 - 道徳の目覚め・儒教的境地
  3. 嬰童無畏心 - 超俗志向・インド哲学老荘思想の境地
  4. 唯蘊無我心 - 小乗仏教のうち声聞の境地
  5. 抜業因種心 - 小乗仏教のうち縁覚の境地
  6. 他縁大乗心 - 大乗仏教のうち唯識法相宗の境地
  7. 覚心不生心 - 大乗仏教のうち中観三論宗の境地
  8. 一道無為心(如実知自心・空性無境心) - 大乗仏教のうち天台宗の境地
  9. 極無自性心 - 大乗仏教のうち華厳宗の境地
  10. 秘密荘厳心 - 真言密教の境地

『十住心論』の内容を簡略に示したものが、『秘蔵宝鑰』である。



十住心体系は以上であるが、冒頭に紹介した「日蓮聖人の真言宗批判について」というホームページでは 十住心体系という空海の体系に対する日蓮の認識を紹介し、天台密教についても日蓮の気に入らない理由を説明している。次のとおりである。


『 なお、日蓮聖人はこのような空海の体系は正確ではないとしています。』


『 東寺(真言宗)の密教と、天台宗の密教とを比べ、天台流の密教に於いては『法華経』に、「理秘密」が具わるとしています。事相については、顕教であります が、その本質に密教的な要素があるということです。しかし、まだその対比に於いては、『大日経』が優れる可能性を残しています。『法華経』の徳を最大限にまで高めていたはずの伝教大師最澄の正義を隠してしまった。よって、日蓮聖人は気に入 らないわけ。』


『 弘法大師も、慈覚大師円仁もそれぞれ『法華経』と『大日経』のどちらが優れているかという判断に誤った。』




日蓮聖人の真言宗批判について」というホームページの説明は以上であるが、日蓮は、

「密教は国を滅ぼす原因になる」と考えている。


釈迦は、「法華経」の説教において「宇宙の中にいるさまざまな生き物たちの苦悩に慈悲でもって応え、苦悩の悪循環を希望の好循環に転じる」と言っているが、このフレーズを私流に解釈しておこう。この世は「波動の海」である。「苦悩の悪循環」は波動の乱れによって生じる。したがって、「苦悩の悪循環」を「希望の好循環」に転換するためには、宇宙の波動の乱れを整えなければならない。それをなし得るのは釈迦のようなブツダであるが、日蓮はそれができたようである。日蓮という釈迦の生まれ変わりが日本に出てきた以上、日本仏教は日蓮に従うべきで、密教といえども国を滅ぼす原因となる。私もそう思う。