diary

川のおじさんは、仕事をしながらも、
いろんな「旅」をしています。
そんなおじさんの出会いや発見を
心にひも解くページです。

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川のおじさん日記

台風を従え、松本へ


どうしても見たかった階段流路工

たどり着いた松本は、嘘のように雨が上がっていた。 北アルプスを源とするこの地域の河川は急峻で 短く、大量の土砂が巨大なエネルギーで流れ出る。 「砂防」の技術が駆使されてきたゆえんだ。

 

ひとことメモ


【牛伏川のフランス式階段工】

江戸時代後期の乱伐と森林火災でハゲ山と化した牛伏川の氾濫と土石流を防ぐため、フランスのデュランス川サニエル渓流にある施設を参考にしてつくられたといわれる。

19基の石造床固と護岸工を地形に馴染ませ、延長141mにわたって階段状に連続させた水路工で、国の有形文化財。

[砂防は今や国際語]

日本の総合的土砂管理技術「砂防」が最先端をいくことから、世界の治水専門家の間では、「日本語の砂防=SABO」は国際語として用いられている。

【流すSABO】

非常時には土砂流出を抑えて水害を防ぎ、平常時は適量を流して自然になじませる。水源から海までを、グローバルな視点でとらえた土砂管理が「流すSABO」。「浦川スーパー暗渠砂防堰堤」はじめ、その先鋭をゆくのが、松本工事事務所だ。


風力・太陽光発電で動く松ヶ峯無線中継所

土砂移動監視カメラの映像を、光ケーブルで

中央へ送信する先進的設備が、頼もしい。

緑のトンネルを、ゆったりと流れる万水川。

回る水車。古き時代へとタイムスリップ。

   ※万水川 ・・よろずいがわ と読む

明けて晴天、空・山・空気、いうことなし。

いよいよ、牛伏川のフランス式階段工へ。

今も機能しているという石積の堰堤から、

絶え間なく水が流れ落ちる。

大正期の砂防事業が豊かな緑に溶け込む。

   ※牛伏川 ・・うしぶせがわ と読む

自然の声を聞きながら、人間の英知を集めて山地を緑に復元し、活かす。砂防事業の コツコツとした努力を垣間見て、僕の足取りは軽い。人と自然の共生が夢ではないこ とを、今回の旅が教えてくれたからだ。

砂防のことなら・・・

●松本砂防工事事務所 WEB site
 http://www.hrr.mlit.go.jp/matumoto/

●国土交通省砂防部
  http://www.mlit.go.jp/river/sabo/

2002.08



         
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