お便り
 


 


広大な自然の中、
人間はその一部でしかない。
カナダ在住の岡本さんは、
それを肌で感じています。

岡本さん
 
 

国土の半分以上が自然で、人間より動物の数の方が多いカナダでは、 川は自然と人間の共生の場所として親しまれています。 都市部の川辺でも、バーベキューや日光浴を楽しむ広場以外は殆ど自然のまま。北から渡ってきて子育て中の水鳥の傍で人間の子供たちが遊んでいます。
 
山間部ではカヌーやラフティングも盛んで、ロッキー山脈から1週間かけて川を下ってくる人たちもいます。疲れ果 てて下流部に辿り付くと、イルカたちが、エールを送るかのようにカヌーと共に泳いでくれるといいます。
 
こんなカナダも日本と同様に30年前にはダムや都市開発、工場廃水による川の汚染と、それによる鮭の絶滅的危機、そして鮭を餌とする野生動物の激減という困難な時代がありました。しかし保護法の整備、国立公園や自然保護区の設定、集水域全体の管理などにより現在では元の雄大な姿を取り戻しつつあります。
また、早くから住民が保護運動に立ち上がり、行政がそれを受け住民参加による保護政策に積極的に乗り出したこと、自然保護のための規制を設けながらも、川辺を開放したことで、人と川の距離を縮めました。住民に「川は生活の一部であり、自分たちで守っていくもの」という強い認識が芽生えたことが良い結果 に繋がっているようです。

2002年12月
   

 
 
仲間
 
仲間

 
 
岡本さん
 

 
岡本葉子 さん
 
(おかもとはこ)
 
カナダ・ブリティッシュコロンビア州在住。開発援助機関を経てコンサルタント。 ビオトープ計画管理士でもある。
現在はアメリカ国立公園局のコンセッショナーの調査委託業務を行いながら、日本環境学会の共同研究に参加。
今年夏には学会メンバーと共にヨハネスブルグで開催された開発と環境サミットにNGO代表団として参加し、エコツーリズムワークショップで「開発途上国の自然/文化遺産の保護と利用そしてエコツーリズムにおける現状と課題」をテーマに発表する機会を得た。

山間部でも都市部でも川を身近に楽しむカナダの地で、住民が、病んだ川の環境を取り戻すために果 敢に取り組む姿を目の当たりにし、学ぶことも多い。川の再生は容易ではなく、現在も問題は山積だが、高い自然保護意識をもつ住民には、あらゆる困難にも立ち向かってゆく強さがある。日本とは異なった地形と文化と自然を持った国。しかしこの力強い精神は、日本でも芽生え、育むことができるものであると信じている。

イエローストーン・グレーシャーアドベンチャー株式会社
日本環境学会

 
 
     

 
 

カナダの川


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