お便り
 
加治川の若月さんからのおたより

 



子どものころの加治川を
体で覚えているから、
若月さんには
やるべきことが沢山あるのです。

若月さん
 
 

「加治川」って、知っていますか?
新潟県には日本一長い川「信濃川」や水量の豊富な「阿賀野川」など、大きな河川も沢山ありますが、僕たちの地域を流れる「加治川」は河川延長50kmの2級河川です。 かつて、加治川は「長堤十里 世界一の桜回廊」と謳われ、当時は国鉄の臨時停車場も出来るほどに桜見物の人たちが訪れていたそうです。

でも、昭和41年、42年の羽越水害ですべての桜が伐採され、現在その美しい姿を見ることはできません。 また、洪水がきっかけとなり小学校では次々とプールが作られ、世間には「よい子は川で遊ばない」という合い言葉が定着し、子供たちから川が遠のいていきました。

僕の子供の頃、川には川遊びの大将がいて、子供たち自身が川遊びを通 して水遊びの文化を教え、次の世代へと繋いでいました。小・中学校の頃の夏といえば、家の脇を流れる加治川で泳いだり、素潜りで魚突きをしたり、素手で魚を釣ったりと川遊び三昧の日々でした。また、雪に覆われる冬以外は田んぼの用水でドジョウをとり、山ではアケビ採りや栗拾いなども行われ、遊びの中で「自然の恵みを食べること」などあたりまえのことでした。

2004年4月
 
 
 
加治川
 
加治川
上:加治川探検隊!!
下:粗朶沈床を川に設置

 

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若月さん
   
わかつき まなぶ
若月 学 さん

 
 
NPO法人加治川ネット21理事長  
NPO法人日本ビオトープ゚協会技術副委員長
新潟県ビオトープ協会理事
新潟県粗朶業協同組合技術部長  
内の倉ダムを奏でる会 代表世話人
若月建設株式会社 専務取締役
 
 

●加治川ネット21について
 「地域のすばらしい自然環境を、より良い形で次の世代の子供たちへ引き継ごう」と1996年に発足した加治川ネット21。加治川をフィールドに環境の保全・啓発や地域文化の振興に関する活動を行っている
「地元のUターン組がこの活動を支えています。一度外へ出た方が、地域のことがよく見えるんですよね。かく言う僕もUターン組のひとりです。(笑)」
今では、年間4〜6回の体験講座を有する「水辺の大楽校」を核に独自の環境プログラムを開発し、子供たちを巻き込んだ地域の連携と交流を目指している。
 また、淡水魚類絶滅危惧種の『アカザ』『ホトケドジョウ』『イバラトミヨ』『スナヤツメ』などが生息している加治川流域だが、次々に無計画な開発行為が行われ、一番弱い立場であるこれらの生物が絶滅の危機にさらされている。
「僕たちは、子供たちと一緒に地域環境を調べ、公開することで、地域からなくなりつつあるこれらの宝物を地域の人々に知ってもらい、開発等への反対の立場ではなく、これらと共存できる道を考えるべく、活動していきたいと考えています。」

 
●粗朶が育む生物の環境
「粗朶」とは、雑木の枝を利用した土木資材。若月さんの本業は、この粗朶を生産して「粗朶沈床(川底を保護するために粗朶で作った大きなマット)」や「粗朶柵工」「連柴柵工」などを施工する専門店である。
「粗朶」は、時代とともに消えつつある伝統技術だったが、現在も加治川流域を中心とした里山で生産され、全国に出荷されている。粗朶の持つ柔軟性とともに、粗朶が作る小さな空隙(すき間)は魚の稚魚やカニやエビなどの小さな生物などに棲息(休息)空間を提供し、それに着生する植物や粗朶の腐食した部分は貝や微生物などのエサとなり、多様な生物層を創出しているのだ。
「 自然のサイクルを保つためには、自然の中にある石や木、土といった素材は欠かせません。すべてにこれらの素材を使用することはできませんが、私たち自身がこれらを使用できる場所、できない場所を見極める『知識』と『知恵』を身につけていけたらなぁ…と思っています。」

 
 
     

 



         
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