自然の貯水池「一級河川 中禅寺湖」 中禅寺湖から流れ出た大谷川が、500メートル 余りを流れて落下しているのが華厳の滝だ。中禅寺湖から華厳の滝までの区間を大尻 川と通称することも有るが、正式には中禅寺湖からの出流点より大谷川となる 。

自然の貯水池「一級河川 中禅寺湖」

中禅寺湖から流れ出た大谷川が、500メートル余りを流れて落下しているのが華厳の 滝だ。湖の水が川へと注ぐ入り口に、1959年に完成した栃木県日光土木事務所管理 「中禅寺ダム」がある。洪水調節・発電・農業用水を主な目的としたこのダムの放水 量が、そのまま華厳の滝の落下量となる。放水量は、天候による湖の水位 変化や、水 の需要、ダムの年間計画に基づいて洪水に備える調節(例えば降水量 の多いシーズン に備え、事前に水位を下げておく)などによって決まる。
右写 真:華厳の滝の蛇口ともなっている 「中禅寺ダム」

これ以外に、日本三大名爆のひとつとして、華厳の滝が重要な観光資源であるこ とに配慮したコントロールもあるそうだ。放流量は、平時で毎秒2.5トン前後。0〜40 トン(台風時)と幅がある。だから、運が悪ければ、ちょろちょろと流れる滝しか見 られないこともあり得るのだ。

昭和5年に出来たエレベーター

滝の上から、岩盤をくり抜いて作られたエレベーターで一気に下り、モルグ的な廊下 を通って観瀑台へと歩く。途中のくぼみにある慰霊の碑は、滝で亡くなった投身自殺 者を慰めるために作られたそうだ。さて、今日の滝は?。霧と飛沫に濡れて岩肌には りつく緑、落下口の溶岩にしがみついて揺れる木々。高さ97メートルを一気に落ちる 水の圧倒的パワー、目を疑うばかりのスケールは期待通り。滝中腹あたり、左右の岩 盤から噴出する幾筋もの流れが気になる。中禅寺湖の伏流水がこんなところからも出 ている。見回した周囲の岸壁は、触れなば崩れんという様相だ。
右写 真:エレベータを降りるとヒンヤリと冷たい廊下が滝見台まで続く。

大地を侵食し続けている滝

1976年、1986年と、大規模な崩壊を起こした華厳の滝。実は、大昔はずっと下流に あったものが、崩れつつも砂防ダム的なはたらきをしながら、後ずさりを続け、現在 の姿になったのだとか。このままの状況で後退を続けると、500〜2000年後には、落ち口が中禅寺湖に達することもありうるといわれている。

景観を守る最新工事

滝に向って右側の崖の内部では、景観を変えずに崩壊を食い止めようとする大掛かり な対策工事が、栃木県日光土木事務所によって進行中だ。崖の裏側では、縦穴(立 坑)を堀り、そこから崖斜面に向けてアンカー(高強度鋼線)を放射状に打ち込ん で、立坑側に引っ張るという工事が行われているのだ。この「立坑内からのロックア ンカー工法」は、世界ではじめての試み。平成2年度から始まった工事は、平成17年 度には第三期工事を終了の予定だ。観光客の目にふれないところで、地域を崩壊から 守り、万人の財産である美しい自然を維持しようとうする努力が続いている。

・栃木県日光土木事務所 大谷川左岸火山砂防事業
資料提供:栃木県日光土木事務所
参考資料:
栃木県日光土木事務所パンフレット「華厳の滝」崩壊対策工事
国土交通省日光砂防工事事務所「悠久の時に刻む」
・日光金谷ホテルの日光ガイド

 

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