土産話
   

早朝出会った風景

鞆浦の町並

海部川が海へと注ぐ右手、漁師町の共同生活が根付く鞆浦。「鞆千軒」、隣の壁が我が家の壁といわれたほどに、古いがこざっぱりとした小さな家が270軒余りひしめき合って並ぶ。だいぶ減ってしまったとはいえ、徳島県南の港町特有の「みせづくり」が残る家もある。これは、折畳式雨戸プラス縁台のようなもの。上下横並び二枚の戸板の上を「うわみせ」、下を「したみせ」といい、ルーツは京都の町屋にあるのだそうだ。上は庇(ひさし)にしたり、雨戸にしたりで、しけの時以外は閉めない。下は足をつけて縁台や出店がわり、網を繕うときなどの作業台にし、夜になったら収納する。疲れた人が腰をかけるのは、おかまいなしと、お婆さんが教えてくれた。

みせづくり

みせづくり  
←下だけ閉まっている
 ↓上下とも閉めるとこうなる。
みせづくり

カイフポイントの日の出
漁師町の朝
オオウナギのマンホール

だんじり祭り見学記
だんじり だんじり
大里八幡神社:
誉田別神(ほんだわけのかみ)と天照大神(あまてらすおおみかみ)天児屋根神(あめのこやねのかみ)を祀り、前身は延長5(927)年にできた和意佐意曽(わさなおふそ)神社であるといわれる。これが慶長9(1640)年、鞆浦大宮山から、現在の大里松原に還座し、八幡宮となったといわれる。
     

港柱神社「赤ちゃんの土俵入り(※)」、続く八幡神社宵宮巡行、花火大会が無事 に終わった翌朝。今日はいよいよ本祭。しかも3年ぶりの快晴なのだ。「そら、みず!」。そんなことばを交わし、だれもがうれしさを抑えている。「空、見ず」とはご当地の言葉で、いいお天気!ということだそうだ。

屋台や露天の植木屋が並ぶ八幡神社の境内に、人が集り始めた。誰もが大きな風呂敷包みを大事そうに抱えている。形から見ても、晴れのお弁当とわかる。皿鉢料理か、 寿司桶か・・。海風とイカ焼きのにおいが混じってあたりに漂う。聞こえるのは人のざわめきばかり、拡声器の音もない。当たり前ですんなりとしている。昼が近づき、 急に人の輪がせばまり始めた。

来たっ!!最初の浜入れだ。一番手は鞆浦南町の関舟。地響きと共に参道を一直線に疾走して来たかと見るや、本殿との隙間をすり抜けて鳥居を一周。もうもうたる土煙 舞う中、海に向って走ったところでいったん止まり、今度はゆっくりと鳥居脇に据え られた。続くダンジリには、女の着物を着た「打ち子」と呼ばれる厚化粧の男の子た ちが乗り込んでいて、急テンポなお囃子を入れている。7台全てが社頭に勢揃いするまで、土煙を蹴立てての曳き回しが続くが、各々の道筋も、据える場所もきちんと定められている。昔は他の郷の者も女も綱の中に入れない、死者が出るほどの男の祭り だったとか。今は女ダンジリも登場し、華やぎを添えている。

7台目が納められたら、行事も小休止。人々は境内に広がる松原や浜辺で「直会」 (なおらい)と呼ばれる昼食。大人も子どもも平和で幸福だ。午後からは関舟・ダン ジリを従えた子ども神輿・神輿の巡行、浜入れ、流鏑馬が行われ、祭りは幕を閉じる。

(※)赤ちゃんの土俵入り:本来は別 の祭りだったが、現在は八幡神社祭礼の流れの中にあリ関舟・ダンジリが土俵の周りに並ぶ。300年以上の歴史を持ち、地域の郷士が赤ちゃんの健康を願って始めたともいわれ、男児のみが参加する。

走るだんじり
走るだんじり
きれいに化粧した打ち子
「昔の八幡神社祭」鞆浦黒潮ホームページ
取材協力:海南町立博物館
参考文献:徳島大学総合科学部文化人類学研究室報告「大里八幡神社祭礼」
走る男たち

 

松原海岸

海老ヶ池園地

伝説の沼と聞いて、おどろおどろしく人も近づかない・・・と思っていたイメージは大はずれ。遊歩道が整備され、キャンプ場もある南阿波ピクニック公園となっていた。水門で海と繋がる汽水湖で、私有地なのだとか。ここもブラックバスの放流で生態系が乱れてきている。

海老ケ池

海南町の民話1『海老ヶ池(えびがいけ)の大蛇』

  

夕暮れ時の風景

松原海岸

大里八幡神社から真っ直ぐ海に出た。丸石で敷き詰められた海岸はなだらかな弧 を描き、遠望するカイフポイントは波の飛沫にかすんでいる。薄いエメラルドブルーの波が白い波頭を巻きながら、飽くことなく打ち寄せる。海を見て右手に続く4kmの松原は、日本の白砂青松百選のひとつ。ここの初日の出を眺めながらの元旦は格別 。
海南町「海風テラピー 大里松原でときをわすれる」

 

鳥見台

 

 

道楽主人

 


江戸前修行と黒潮の幸の出会い
鮨処「道楽」
カウンターに立つ恰幅よい御主人は東京の名店「寿司幸」で修行した人。美味しそうなお顔に、期待が高まる。
どうしたって、まずは戻り鰹!刺身、藁火焼き・たたき!「今まで食べていた鰹は何だったのだ!?」半生を反省する。 「旨いですか?」激しくうなづくばかり。初鰹の切り身に時々見られる青っぽい光は、「七色」といって美味しくない証拠だそうな。 海部川の鮎塩焼き、太刀魚・大トロあぶりの握り。思い出すだけでもよだれが垂れる。

お造り たたき 鯨のサエズリ チラシ寿司
戻り鰹のお造り。少し厚めにスライスしたニンニクと一緒に・・ 戻り鰹のたたき。文句なし。 鯨のサエズリ。ムニュムニュした触感、口いっぱいに広がる滋味。完全にノックアウトされる。 ランチも必食。チラシ寿司は、細かく刻んだウナギや卵焼き、刺身のヅケがたっぷり。

「道楽」
徳島県医師会報2001年7月号掲載 寿司『道楽』

 

海部川・旅の栞海部川を体感する海部川に生きる海部川の旅・土産話身体検査

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