風土工学と「杜のくに・・日本」

 

 

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タイトル: 245 . 風土工学と「杜のくに・・日本」

お名前: 岩井國臣

投稿日: 6/1(07:16)

 

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先週の土曜日に富士市で風土工学に関するシンポジュームがありました。

 

 

静岡常葉大学に風土工学研究所ができ、その創立記念のシンポジュームだったのです。竹林

征三さんが常葉大学の教授になられ、初代の風土工学研究所長になられた記念のシンポジュ

ームでもあったのです。

 

オギュスタン・ベルク、高橋東大名誉教授、五十嵐北大名誉教授、竹林風土工学研究所長、

それに私がそれぞれ講演し、最後に全員でパネルディスカッションを行なったものです。

 

以下は、私の講演内容の要旨です。

 

 

 

風土工学と「杜のくに・・・日本」

 

 

 我が国は世界有数の森林国である。第五次全国総合計画にうたわれているように、多自然

居住地域、つまり森林に恵まれた水源地域というか過疎地域こそ国土づくりのフロンティア

である。実は、その五全総の策定に当たり、私は、流域の持つ本質的な意義について私見を

発表したことがある。流域の重要性、そしてマナイズムの重要性、森の思想の重要性を言い

たかったのである。

  

 さて、土木技術はもっとも古い歴史をもつ技術といわれる。淮南子(えなんじ)という紀

元前の中国の本があり、「築土構木」という言葉が出てくる。著者は、人々が安心して暮ら

せるように築土構木を為すのは聖人であると言っている。土木技術の本質を言い当てていて

大変おもしろい。なお、この文が出てくるのは、淮南子(えなんじ)の中の巻13であり「氾

論訓」という解題がついているのだが、これは、「世のさまざまのことがらについて、ひろ

く古今にわたって得失の理を論じ、道によって教化し、大いに一なる真理を悟らせる・・・

そういったことが今求められている。それゆえに、今、私は、ここに、氾く(ひろく)論ず

るのである。」という意味であり、私は、これまた土木技術の本質を考えるに重大な示唆を

与えているのではないかと思う。

 

 21世紀は平和の時代である。平和を語るには、どうしても怨霊とか鬼或いは妖怪につい

て語らなければならないようだ。小松和彦さんがその著書「憑霊(ひょうれい)信仰論」で

言っておられるように、問題は、怨霊、鬼、妖怪とは何かと問うことではない。そうではな

くて、そういった怨霊、鬼、妖怪のずっと背後にどういう真理があるのかということこそが

問題の核心なのである。

 

 原爆ドームが私達の庁舎であったこともあって、私は、平和について語らなければならな

いし、「国際平和文化都市−ひろしま」について語らなければならない。また、私は、地域

づくりを専門にしている以上、平和の原理をふまえた「地域づくり」について語らなければ

ならない。そのためには、どうしても、怨霊、鬼、或いは妖怪のずっと背後にどういう真理

がかくされているのか、その辺について深く探らなければならない。

 

 

 土木研究センター風土工学研究所所長の竹林征三さんの卓越した識見と精力的な努力によ

って、「風土工学」という新しい工学ジャンルが創造された、この理論を適用することによ

りこれからの地域づくりに大きく寄与することが期待されている。私の提唱する・・・個性

ある地域づくり、共生の思想にもとづく地域づくり、河童の棲む川づくり、巨木の町づく

り、怨霊、鬼、妖怪の棲む町づくり・・・これらはとりもなおさず風土工学の課題といった

らよかろう。

 

 

 

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