バランスシート不況

 

 

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タイトル: 415 . バランスシート不況

お名前: 岩井國臣

投稿日: 1/8(12:14)

 

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バランスシート不況

 

 今の不況はバランスシート不況である。

私は、バランスシート不況という言葉を使ったことはない。

もともとそういう言葉を知らなかったからだが、リチャード・クーの最新の著書

「良い財政赤字、悪い財政赤字・・・俗説の呪縛を解き景気回復へ」(2001年

1月8日、PHP研究所)を読んで目から鱗が落ちた思いである。

バランスシート不況とは全く言い得て妙である。そのとおりだ。

 

 誰もがこの不況はバブルがはじけて起こったことは知っており、

不良債権が一番の問題であることも知っている。

このことが経済を悪くしている本質であるのだが、

このことの本質をわきまえない議論が余りにも多すぎる。

バランスシート不況という言葉は、その本質を的確に言い当てているという意味で

今後私もこの言葉を多用させていただきたいと思う。

 

 ケインズ経済学を持ち出すまでもなく、

バランスシート不況時の財政は量が質よりも重要であることは

少し経済をかじったものであれば知っている。

リチャード・クーは、今までもこのことを主張してきているが、

このたびもこのことを強調している。

「バランスシート不況では、財政による需要創出が必要で、

その需要を何で創出するかは二の次になる。」と・・・。

 

 そうなのだ。今は公共事業の見直しを言っているときではない。

リチャード・クーが言っているように、

「今、進行している公共事業の多くはベストの選択ではないが、

できるところからとにかく手を付けなければならない。

そういう意識で対応しないと、

バランスシート不況は本当に恐ろしい状況をもたらすことになるのである。」

 

 

 ただ、これもリチャード・クーが言っていることだが、・・・・

今後もっとも心配されるのは、金利があがらない世界である。

つまり、多くの企業が熱ものに懲りて、借金拒絶症になることである。

 

 私がいつも言っているように、借金には良い借金と悪い借金があるのであり、

良い借金までしなくなると、企業の発展、社会の発展はおおよそ望めなくなる。

 

個人で言えば、サラ金に手を出すことは悪い借金だが、

住宅ローンで家を建てるという借金はよい借金である。

 

主義で借金をしないというのも立派な考えであるかも知れないが、

もしそういう主義で金が貯まってから家を建てようと思っても、なかなか金貯まら

ない。

やっと金が貯まったと思って家を建てたら、もう60才にもなって、

棺桶に半分足を突っ込んでいる・・・・、そういうことになりかねない。

それよりもできるだけ早いうちに住宅ローンを組んで家を建てた方が得策である。

良い生活ができるというものである。

 

 もちろんもとごとには限度というものがあるわけで、

良い借金なら無制限にやって良いかというとそうではない。

 

そうではないが、・・・・借金はすべて悪いというような風潮がでることは

経済社会のためにもっとも警戒しなければならないことである。

 

 もし、バランスシートがきれいになった企業でも「借金拒絶症」で借金をせず、

民間の貯蓄超過がずっと続いてしまうようなことになればこれは大変なことであ

る。

財政出動の必要性がずっと続くことになりかねない。

 

IT関係の需要も拡大していくであろうし、

今の状況ではそういうことになる心配はあまりないと思われるが、

一応そう心配もしておく方がよい。

 

もし財政出動が続くとしたら、これは大変・・・。

 

それこそ公共事業のキッチリした見直しをやらないと納税者に申し開きができない

ということになる。

公共事業にムダなものがあるとすれば、それを極力抑制し、

また民間需要を喚起するための公共事業を積極的に実施しなければならない。

 

 これらのことはもちろん常日頃からやっておかなければならないことではある

し、

事実、会計検査院の厳しい検査もやりながら行政府はそうやってきている。

 

そうではあるが、もし低金利が続くような状態、

つまり企業の「借金拒絶症」が心配されるような状態が心配されるとすれば、

これは異常なことであり、政官財こぞってそれこそ非常手段を考えなければならな

い。

 

 私は、まだそういう非常手段を講ずべき段階ではないと考えているのである

が、・・・・

そういう非常手段を講じうる制度的な検討なり準備については

今すぐにでも始めなければならないのだと思う。

 

PFIは、もっと大きな観点からその推進を図らなければならないのだが、

当面、そのような非常手段としても有効に機能すると思われるので、

少なくともPFIについては、今から積極的な取り組みが必要である。

 

私がPFIに熱心な所以である。是非、ご理解を願いたい。

 

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