創造的破壊

 

 

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タイトル: 570 . 創造的破壊

お名前: いわい國臣

投稿日: 4/23(04:38)

 

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私たちは、松尾稔君をリーダーとするあるグループを作っているのだが、

その仲間で、最近、「21世紀・建設産業はどう変わるか」(鹿島出版会)という本を

出した.

 

私たちのペーパー(本)には「創造的破壊」という言葉が何度もでてくる。

現在の建設産業をはじめとしておおよそ土木という分野の多くが破局的な状況にあ

り、

これをどう捉えるかが実は大変大きな問題なのだが、基本的には、

今の破局的な状況を悲観的に捉えるのではなくて、

むしろ楽観的に捉えるべきだというのがこのペーパーの基本的態度であり、

「創造的破壊」という言葉が何度もでてくる所以である。

 さてここで問題になるのは楽観的ということであるが、

楽観的という意味は、破局的な状況を覚悟する必要がなく、

そのうちに何らかの対策が講じられてそのうちになんとか破局は免れるだろう

という意味ではない。そうではなくて、破局は覚悟しているのだが、

その破局を産みの苦しみとして捉え、破局そのものを前向きに捉えているというこ

とである。

破局が来るかどうかという点についてはもちろん悲観的なのである。

そういう意味で、「創造的破壊」というのは、「悲観的楽観論」と言っても良い。

 

「創造的破壊」というのが私たちのペーパーのいうなれば基本的なキーワードであ

るので、

まずは、「創造的破壊」ということについて考えてみたいと思う。

「創造的破壊」でまず問題になるのは、「何を破壊すべきか」ということであろ

う。

 

今まで安定していた従来のシステムの中にそれとは逆の何か新しいシステムが入っ

てくると

それらの間にいろいろと摩擦が生じてくる。つまり矛盾が表面化してくる。

そういった表面化してきた矛盾をどう調整するかということが大きな社会問題とな

るのだが、

然るべき調整するためには、どうしても古いシステムというものを

ある程度破壊しなければならない。

すべて新しいシステムの切り替えてしまうのであれば、

古いシステムは全部破壊し尽くしてしまえばいい。

「創造的破壊」は、そういう全面破壊ではなくて、

古いシステムはどのようなかたちで残るかは別として、何らかのかたちで残る。

古いシステムをも大事にしようとする態度が「創造的破壊」の態度であろう。

 

河合隼雄の矛盾システム論というのがある。

現在、グローバル化の中で、わが国は、アメリカを中心としたそういう世界システ

ムと

わが国の伝統システムの葛藤の中で、新しい秩序を模索しながら苦しんでいる。

いろんな矛盾が表面化してきていると言えるのだが、

わが国は当分そういう矛盾の中で生きていかなければならない、

・・・そういうのが河合隼雄の矛盾システム論である。

河合隼雄の矛盾システム論には一種のあきらめにも似た諦観が感じられる。

「創造的破壊」と言うとき、そこには諦観はない。

「創造的破壊」というとき、それは矛盾の中で生きていくのではなくて、

矛盾を矛盾と考えないで生きていく。

つまり、一見矛盾と見えるものを両方とも積極的に受け入れると同時に

そのハイブリッドとしての新しいシステムを生み出していこうとする態度

・・・そういう積極的な態度が「創造的破壊」の態度であろう。

 

 

まず、「創造的破壊」ということについていくつかの文脈を紹介しておきたい。

 

世界の人々も含めて、日本国民が求める「新の豊かさ」は明確に変わってきてい

る。

経済的な効率性や利便性だけを追求する都市や地域や国は、やがて尊敬されなくな

るであろう。

人間や自然と調和した豊かな住環境や学術文化が自己のものとして実感できる「国

づくり」や

「世界への貢献」が要求されている。

そこでは、20世紀型の土木工学を超えた、保全工学、安全・安心学、民の知恵の

活用等々が

必要になるのは必然である。

いうならば「建設分野のパラダイム転換」・・・

そこでは創造的破壊を伴うに違いない・・・が、強く要求されているのである。

これはまえがきの一部であるが、

積極的に「建設分野のパラダイム転換」をしていこうとする態度を充分読みとって

いただける

と思う。次の文脈にいこう。

 

とにかく破壊しなくてはダメだ。しかしその破壊は「創造的破壊」でないとよくな

い。

だからここは、みんなに企業家の気持ちが必要だ。

(中略)・・・企業家というのは、現状を創造的に破壊する。

そうすることによって違った分野が開け、大きくもなるし、堅実にもなる。

これは第9章の座談会における松尾稔リーダーの言葉であるが、

これが彼のいちばん言いたいことであると思う。

土木については公共事業のウエイトがすこぶる大きいので、

官僚に企業家的な気持ちがないと土木という分野に新たなものは生まれてこない。

座談会では、有岡正樹さんからPFIを例にしてその指摘があり、

創造的破壊は官僚がまだその気になっていないという点で

まだまだこれからという結論になっている。

いよいよ土木分野における本格的な「創造的破壊」はこれから始まるのだろう。

 

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▼コメント

 

571. Re: 創造的破壊 [上田 勝] 4/23(09:56)

 

 

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