広義では,仏法に帰依して三宝を守護する神霊・鬼神の類を意味するが,狭義では,密教の奥義をきわめた高僧や修験道の行者・山伏たちの使役する神霊・鬼神を意味する。
童子形で語られることが多いため護法童子と呼ぶことが広く定着している。しかし,鬼や動物の姿で示されることもある。
役行者(えんのぎようじや)が使役したという前鬼(ぜんき)・後鬼(ごき)は鬼の類であり,羽黒山の護法は,烏飛びの神事に示されるようにカラスである。
民俗社会で活動した山伏が使役したイズナやイナリ,犬神なども護法の一種と考えることができる。
童子形の護法は,《日本霊異記》をはじめ《今昔物語集》など古代から中世にかけての説話集や絵巻などに数多く描かれており,《信貴山縁起》の主人公命蓮の使役する〈剣の護法〉はもっともよく知られている。
護法の属性として,飛行能力,駿足・怪力,身の回りの世話,人に憑依(ひようい)すること,などいろいろと挙げることができるが,病人に取り憑(つ)いている悪霊を追い払うために用いられたということがとりわけ重要な属性であった。剣の護法も延喜の帝(醍醐天皇)の病をなおすために使役されている。山伏などに使役される護法は,彼らの呪力の形象化されたものといえる。⇒飯綱(いづな)使い 小松 和彦
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