鳥の巣あさり

 

 

私は先に、かぐや姫の物語には実に驚くべき内容を含んでいるということを申し上げた。そして、岩崎書店に「復刊・日本の名作絵本(2002年)」の1場面を紹介し、その絵の中にある子安貝の謎をみなさんに問いかけた。子安貝とは、女性の性器そのものではないかという問いかけ・・、そして燕がもった子安貝というのは一体全体何を意味しているのかという問いかけであった。さあ、それでは、いよいよその謎に迫っていきたいとおもう。

 

まずは、いつものように、中沢新一の言うことをお聞きください。今回は、「人類最古の哲学(中澤新一著、2002年、講談社)」からです。

 

人類最初の・・・・哲学の勉強の・・・・始まり、始まり・・・・!!!!!

 

『 「鳥の巣あさり(Bird Nester)」という民間習俗が問題なのです。ヨーロッパの民間伝承にもよく出てきますが、思春期を迎えた少年を年上の青年が、高い木の上にかけられた鳥の巣に登らせて、卵などを取ってこさせるという習慣ですが、このとき少年に先輩たちから初めての性の手ほどきがおこなわれると言われています。皆さんは、野鳥の巣の中に手を突っ込んだことはありますか。とてもいい感じがするでしょう。僕は何回もあります。なかなかあったかくて気持ちがいい。そして間違って卵のつぶしたりする。このとき卵でぐちゃぐちゃに濡れた手の感覚が、大人になってから体験するさまざまな性的感覚と、とてもよく似ています。「鳥の巣あさり」はとても性的な意味を持った習俗なのですね。 』

 

面白いですね。人類最後の哲学というのは面白いですね。是非、皆さんも「人類最古の哲学(中澤新一著、2002年、講談社)」をよんで、人類最古の哲学を勉強してください。今日ここでは、かぐや姫の物語に焦点を絞って話を進めていきたいと思いますが、まず最初に申し上げたいことは、哲学というのは科学だということです。

事実を踏まえた学問体系というものがあって、その一部に哲学という部門があるわけですから、哲学では事実からはなれた荒唐無稽なことを問題にしてはいけません。今証明はできなくても、事実は多分こういうことではないかという・・・仮説を考え、その仮説に従って思考を進めていくことは必要なことです。しかし、それはあくまでも仮説ですから、そういう仮説にたてば今問題にしている不思議なことの説明ができるのではないかという・・仮説ですから、その仮説を事実と履き違えてはいけないのです。そういう注意は必要ですが、中沢新一がいうところの人類最古の哲学も、哲学は哲学ですからいろんな学問的な研究を踏まえて真実を語ろうとしているということをまずご承知おき願いたい。

芸術作品や文学作品は、おおよそ真実とかけ離れた・・・私たちの感情だけに訴えるまったく荒唐無稽なものもあるが、よい作品は、その人の直感により、できるだけ真実に迫り真実を表現しようとしている。ですから、芸術作品や文学作品に真実の部分がないわけではないし、それを人生の糧として生きていくことがいけないというわけではないが、そこはよほど注意をしないといけないかと思う。その点、神話は違う。神話というものはすこぶる永い年月をかけて民族の知恵によって磨きが得られた教訓であるので、まったく荒唐無稽と思われる中にも、真実に根ざした大変重大な内容を含んでいる。かぐや姫にもそういう神話の部分を含んでいる。それが「燕がもった子安貝」である。「鳥の巣あさり」という現在もヨーロッパで行なわれている習俗と重なる部分を含んでいるのである。こういうと、かぐや姫の物語が何故ヨーロッパの習俗とつながりをもつのかという新たな疑問がでてくるが、それは後ほど説明していくとして、ここでは女性の性器の形をした燕と子安貝のもつ謎に迫っていかなければならない。

 

中沢新一いわく、『 「竹取物語」が書かれたのは9世紀、同じ伝承が現代のブルターニュにもあってかなり古い来歴を持つと推測されていること、また「竹取物語」と非常によく似た話が中国の少数民族である苗族やチベット族にも伝わっていること、などの事を考え合わせて見ますと、この燕石伝承は大変に古い来歴を持った人類的な分布をする伝承であるということが、わかってきます。 』・・・・と。

 

『 [Bird Nester]ということばには別の意味もあります。これはフランスなどでは今も使われているかもしれませんが、深窓の令嬢をものにするという意味です。なかなか手に入りにくい女のところへ忍んで行ってものにするということです。この場合、巣というのはベッドのことです。なかなか男たちになびかなかった女性を、ベッドの上で性の世界に連れ出していくという意味にも解釈できますから、ここにも「をかぐや姫」的な主題が見え隠れしていますし、そういう女性を「外に連れ出す」のに、燕が海から巣に運んできた石ないし貝が大いに効果を発揮しているわけですから、ここにもひとつの関連が潜んでいるのがわかります。 』・・・・・と。

 


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