香取神宮

かとりじんぐう

 

千葉県佐原市香取に鎮座。経津主(ふつぬし)神(またの名,伊波比主(いわいぬし)命)を主祭神とし,比売(ひめ)神,武甕(たけみかづち)神,天児屋(あめのこやね)命を配祀する。経津主神は鹿島神宮の主祭神武甕神とともに,天孫降臨に先立って,この国土を平定したといわれる武神であり,社伝では神武天皇18年の創建と伝えているが,古代大和朝廷の東国経営のはじめ,その前進基地としてのこの地に奉斎されたことに始まる社とみられる。古くより鹿島神宮とともに皇室の篤い崇敬をうけ,香取郡を神郡として,その貢税を当宮の用にあてていた。神階は正一位,延喜の制で名神大社,下総国の一宮とされ,鎌倉期に源頼朝が神領を寄進して崇敬して以来武家の崇敬がふかく,足利,徳川将軍も神領を寄進崇敬した。明治の制で官幣大社。現在も例祭に皇室より幣物奉納がある。古くは伊勢神宮同様,式年遷宮の制があり,本殿を20年ごとに造替したが,現社殿(本殿,楼門,神楽殿)は1700年(元禄13)将軍徳川綱吉の造営,1940年拝殿の改築とともに本殿以下の大修繕をなす。本殿,中殿,拝殿がつらなる権現造。本社には4月14日の例祭のほか,4月4日の御田植祭,11月30日夜の大(だいきよう)祭,12月1日夜の賀詞(よごと)祭,12月4日夜の内陣神楽,12月7日夜の団碁(だんき)祭など特殊神事が多いが,なかでも圧巻は4月15日の神幸祭(軍神祭)である。祭神経津主神が国土平定のときの軍容に模したというこの祭りは神輿を中心に付近旧8ヵ町村の氏子が供奉しての神幸で,12年目ごとの午年(うまどし)の式年神幸祭は豪華である。4月13日の前日祭,14日の例祭につづき,15日朝神輿は津の宮鳥居河岸から御座船にうつり,利根川をさかのぼって船上祭をおこない,佐原川口にひきかえして上陸,16日夕刻神宮に帰る盛大な祭儀で,沿道および利根川沿岸は拝観者でうめつくされる。社宝中の海獣葡萄鏡1面は隋時代の作で国宝。

                        鎌田 純一

 

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Iwai-Kuniomi