三室戸寺(みむろどじ)

 

 

京都府宇治市にある本山修験宗の寺。明星山と号し,もと天台宗寺門派。

西国三十三所観音霊場の第10番札所。

 

寺伝では,宝亀年間(770‐781)付近の志津川岩淵で感得した千手観音を光仁天皇に献上し,天皇が大安寺の行表に命じて伽藍を造営させたのが草創という。

 

11世紀には三井寺末寺となり,1099年(康和1)ごろに三井寺の修験僧隆明が堂舎を修造して中興した。こうして平安後期以降,観音巡礼と修験の寺として衆庶の信仰を集めてきた。

 

戦国期には幾度か兵火にかかって荒廃したが,近世後期に堂舎も復興した。現本堂は1814年(文化11)の建築。ほかに阿弥陀堂,不動堂,三重塔,経蔵などがあり,境内は紅葉をはじめ四季の景勝にめぐまれる。本尊観世音菩像は秘仏。阿弥陀三尊像,釈如来像,毘沙門天像,十八(じゆうはち)神社社殿は重要文化財で,ほかにも多くの什宝が伝蔵される。     藤井 学

 

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