水の復活


 京都は、山紫水明の都市である。今もだ。他の都市に比べて、はっ
きりそう言えると思う。愛宕山や比叡山をはじめ、京都を取り巻く山々
は美しいし、嵐山や加茂川はとても美しい。しかし、神泉苑や堀川が
象徴的であるように、21世紀のキーワード、水の循環とか水システ
ムといった観点から都市の姿を見ると、大変憂うべき状態にあると言
わざるを得ない。


 21世紀は、梅原猛さんが言われるように、我々は、新しい文明を
目指さなければならないのであって、「循環と共生」というキーワー
ドでもって都市構造のあり方を考えなければならないのである。これ
からの都市において、自然との共生とか水の循環システムをどう考え
るか。極めて大事な問題であろう。
 伏流水の問題を考え、今総合治水対策で行われている「雨水の貯留・
浸透のシステム」の普及を真剣にに考えなければならない。各家庭で
も、雨水の利用とか水の循環利用を考える必要があるのではなかろう
か。飲み水は水道水でいいとして、水洗便所の水は循環水でいい。風
呂の水は雨水でいいかもしれない。蛇口の手前で必要な浄化は可能だ。
浄化技術が進歩しているので、今の技術ですればそう高額のものには
ならない筈だ。家庭雑排水も簡単な処理をして下水に流せば、公共下
水道の負担が大幅に減る。


 神泉苑の水が復活し、滋野井の水が復活すれば、各家庭で井戸水が
再び使えるようになる。水を通じ、自然の恵みを身近に感じれるよう
になれば、自ずと心豊かな人間になれるのではなかろうか。我々は、
水の心を心として生きていかなければならない。我々自身心豊かな人
間にならなくして共生社会は来ないし、梅原猛さんの言われる第三の
文明は来るべくもない。ともかく「雨水の貯留・浸透」の普及を図る
ことだ。



Iwai-Kuniomi