BR>
京都市では、昭和56年1月、酒造と缶詰食品業を除く他の食品業、
京都「いのちの水」という本がある。昭和58年6月に京都新聞社
から出された本だ。そこに、「麩嘉」のことが紹介され、京の水と生
麩のことが書かれているので紹介しておきたい。
34業種の食品業について、井戸水使用禁止の措置をとった。その中
に当然生麩も含まれていたので、困り果てた「麩嘉」のご主人、小堀
正次さんは、京都新聞朝刊に全段抜きの意見広告を出された。京の文
化や食品を育ててきたのは「京の水]であることを指摘、井戸水の果
たす役割がいかに大きいかを訴えたものだ。
小麦粉を練り、水洗いをする。そういう作業を繰り返しながら、水
に溶け易い澱粉質を洗い流していく。そうすると、麩の素である小麦
たんぱくのグルテンの塊ができる。それにもち米やあわ或いはヨモギ
を加えて練り、それを蒸したりゆがいたりしたものが生麩である。だ
から、生麩づくりにとって水が生命という訳だ。また、冬場の場合、
5度前後まで冷えきった水道水でグルテンを練ると、それまで生ゴム
のように弾力性のあったグルテンがきゅっとちぢかんでしまって、生
麩にならないのだそうだ。
京の湯葉や豆腐も京の水がその味を育ててきたのであって、京の水
がだめになればそういった京の味もだめになってしまう。京の水を大
事にして京の伝統文化というものを大事にしていきたいものだ。