プラットホームを繋ぐ

  ・・・JUUU−NETとその社会的意義・・・

 

 

目次

 

はじめに

1、奉仕経済

2、奉仕経済への奉仕

3、フォー ラムとプラットホーム

4、プ ラットホームのあるべき姿

5、繋ぎのプラットホーム

6、バラバラでいっしょ・・・JUUU−NETの本質

7、SOHO

むすび

 

 

はじめに

 

 私は、21世紀の大事なキーワードとして「共生、コミュニケーション、連携」というキーワードを考 えており、「交流活充運動」というものを展開している。そして、来るべき共生社会、或いはコミュニケーション社会、或いは連携社会における地域の構造とし ては「リージョナルコンプレックス」というものを考えている。そして、それら運動の合い言葉は、・・・「バラバラでいっしょ」・・・。

 さらに私は、そういった社会を実現していくために、新しいコミュニケーションの手段としてインター ネットがもう不可欠なものになってきている、・・・そう考えている。WEBの世界、・・・・それがそのまま・・・私の言うリージョナルコンプレックスを作 り上げていくからだ。

 

 

1、奉仕経済

 

 LPO法案が今国会で成立するだろう。阪神大震災の時、ボランティアが山のように動いたが、こうい うボランティア活動はもう不可逆的に進みこれからの大きな流れになっていく。そういう時代の潮流から我々はもう逃れることはできないのだと思う。

 現代社会は、資本主義経済というか市場主義にのとった貨幣経済の社会である。

しかし、ボランティアの世界というものは、そういう市場主義とは裏腹のいわば「奉仕経済」の世界であ る。

 実態社会というものは、資本主義とか社会主義とか何か一つに割り切るということはなかなか難しい。 現在は、市場主義万能のように言われている向きもないではないが、世の中はそんな単純なものではないだろう。市場主義の行き過ぎとか及ばざる所も誠に多 い。そういった市場主義の行き過ぎの部分とか足らざる所をボランティアが補う、そういう必要があるのだ。そのためにボランティアがもう時代の潮流と言うと ころまで成長してきているのかもしれない。

 

 「両頭裁断して一剣天に依って凄まじ」という禅の言葉がある。世の中は、白か黒か、善か悪かという ようにどちらかに割り切れるものではない。財政構造改革か景気対策かどちらをとるかといった問題もそうだが、社会でも個人でも、その時々の状況において表 面化するのであって、表面的な現象だけで全体を認識してはならない。貨幣経済も引き続き大きな進展を見せるだろうし、「奉仕経済」も特に21世紀はイン ターネットというツールを得て飛躍的な進展を見せるだろう。

 

 

2、奉仕経済への奉仕

 

 そういうトレンドの中で、「奉仕経済」の方は、むしろこれからというところであろうから、我々は、 少しでも、「奉仕経済」の姿が望ましい姿になるよう・・・ざまざまな挑戦をしていく必要がある。我々は、努めて「奉仕経済」の飛躍的な発展を期さなければ ならないのである。それが、私がいう共生社会、コミュニケーション社会、連携社会を創り出していく。リージョナルコンプレックスを作り出していくのだ。

 

 地域はそのことによってはじめてイキイキするのだと思う。光輝くのだと思う。インターネットという ツールを駆使して「奉仕経済社会」を構築していく、そのことがとりもなをさずロマンある地域づくりであり、私たちの言う地域活充化である。

インターネットを駆使して「奉仕経済社会」を構築するということは具体的にいってどういうことか。

 それは、さまざまなコミュニケーション活動が行われるということであり、そのための場が作られると いうことだ。コミュニケーションは、触れ合いが基本的に重要で、それを抜きにしたサイバティックなものだけでは不十分である。そのことを十分認識した上で 申し上げるのだが、21世紀のおけるコミュニケーション活動というものは、インターネットを抜きに考えられない。

 

 奉仕経済社会はコミュニケーション社会ないし連携社会とほぼ同義語であり、われわれのコミュニケー ション活動はそのまま奉仕経済社会への奉仕であるのかもしれない。

 

 

3、フォーラムとプラットホーム

 

 インターネットによってはじめて高度、かつ広範なコミュニケーションを行いうるのであり、その実行 手段として、インターネット上に、コミュニケーションのための場(フォーラム)を作る必要がある。

 

 国領二郎さんは、去る1月9日の日本経済新聞で、コンピュータの共通基盤としてのプラットホームの 重要性と今後の在り方について述べておられるが、そのことはコミュニケーションのための場(フォーラム)づくりについても全く同様のことが言える。より多 様な人間を接触させ、「知識の逓増現象を味方につける」という点では、プラットホームもフォーラムも全く同じ意義を持つものである。そして両者ともイン ターネットがその進化を支える基本的なツールとなる。

 

 プラットホームという言葉は、パソコンの世界ではコンピューターの共通基盤のことを言うが、通常は 駅のホームの意味で使われている。しかし、プラットホームという言葉は、劇場や講演会場などのステージを表すこともあるし、討論会或いは討論会場という意 味で使われることもある。DISCUSSIONとかFORUMと同義語でもあるということである。フォーラムというと既にあるNIFTYのフォーラムをイ メージする人も少なくないので、私としては、以下フォーラムをも包含したもっと深い意味でプラットホームという言葉を使いたい。勿論、パソコンの世界で 使っているプラットホームという言葉よりはるかにその意味するところは大きい。

 

 

4、プラットホームのあるべき姿

 

 既にパソコン通信では、例えばNIFTYの多くのフォーラムのように、コミュニケーションの場がな いわけではない。しかし、より高度というかより重層的なコミュニケーションを行うためには、それと同様のものがインターネット上に数多くなければならな い。つまりインターネットの多くのホームページにそれぞれ特色のあるプラットホームが必要なのだ。私のホームページでは、とりあえずJUUU−NET フォーラムを開設しているが、これと同様のものがいろんなホームページにそれぞれ特色を持って設けられることが必要だ。

 

 コミュニケーションはあくまで触れ合いが基本であり、インターネットはあくまで補助的なツールであ る。したがって、川づくりや地域づくりといったテーマで行うコミュニケーションは、比較的小人数で行われるのが普通であろう。そうでないとオフラインミー ティングというか実際の触れ合いを行うことが難しい。JUUU−NETでは、サロンネットワークを前提に旅を提唱していきたいと考えているので、オンライ ンミーティングを行うメンバーは必ずしも地域に限定される必要はなく、空間的な広がりがあって差し支えないのだが、それでもなお日頃オンラインミーティン グを行う常連メンバーはせいぜい2〜30名ではなかろうか。案外小人数でしか密度の濃いコミュニケーションというものはできないものである。そのような観 点から、いろんなホームページにそれぞれ特色のあるプラットホームが数多くできるというのが自然である。

 

 本来、WEBの世界というものはそういうものであって、中心的なセンターがあってすべてそこでしか コミュニケーションができないというようなものではない筈である。NIFTYのようなセンターも、これからの情報化社会を支える上で誠に重要な存在であ り、インターネットと一体化する形でさらに発展する必要があると思うが、WEBの世界こそこれからあるべき世界の姿ではなかろうか。

 

 

5、繋ぎのプラットホーム

 

 これからの共生社会、コミュニケーション社会、連携社会のあるべき基本的な社会構造というのは、中 央集権的というようなものではなくいわゆる分散型の社会構造である。

 

 私はそのように考え、JUUU−NETの性格を、基本的には、いわゆるセンターではなく、多くの人 をそして又多くのプラットホームを繋ぐ・・・そういうことに重点を置いたものにしたいと考えている。「繋ぎのプラットホーム」というところか。必ずしも情 報センターでもないし、フォーラムのセンターでもない。人を繋ぐためにサロンネットワークも用意するし、旅のルネッサンスを図り「一宿一飯」の新しい意義 を追求していきたいと考えている。コミュニケーション或いは「触れ合い」という観点からだ。すべて主役は各地にいてJUUU−NETはその人たちを繋ぐわ けだ。こういった点が基本的にNIFTYと異なるところだ。

 サロンネットワークや「旅のすすめ」と同様に重要なのは繋ぎの機能である。JUUU−NET自身も 一つのプラットホームとなるが、そのことよりも、多くのプラットホームを繋ぐために、そのために特化したサーチエンジンを用意するし、さらに各地における 「プラットホーム開設」についてもお手伝いしたいと考えている。

 

 

6、バラバラでいっしょ・・・JUUU−NETの 本質

 

 いわゆる生活圏について、日常生活圏、週末生活圏、月末生活圏、季末生活圏、年末生活圏というよう に、出かける頻度に応じてその範囲を考える考え方があるが、それと同様に、フォーラムの対象者の範囲についてもいろんな広がりで成立すると思われ、そうい う点で、フォーラムというものは重層的に存在する。しかし、それらがバラバラでは「知恵の逓増現象を味方につける」ことはできないので、何か繋ぎの役をす るものが必要である。それがJUUU−NETの本質であろう。「バラバラでいっしょ」・・・・、これは蓮 如上人500回忌記念のポスターの言葉だが、けだし言い得て妙である。

 

 是非、川づくり、地域づくりに関する「JUUU−NETフォーラム」というものを作りたいものだ が、その際大事なことは、それを作り上げていくプロセスである。JUUU−NETの本質からしていわゆる「センター方式」は好ましくない。

 政治はもちろんのこと行政とか財界といったいわば既存の権力機構とは独立した、ボランティア団体と か個人を中心にした、しかも趣旨に賛同する団体や人たちは誰でも参加できるという「開放型の組織作り」でなければならないということだ。

 つまり、JUUU−NET設立のプロセス自体が、もう既に奉仕経済社会の構築に向けて走り出してい るということであり、このことがJUUU−NETの将来に渡っての性格を決定づけるのである。・・・・・・三つ子の魂百まで・・ということだ。

 

 

7、SOHO

 

 ところで、JUUU−NETのできればかくありたい機能の一つに[SOHOを繋ぐ」或いは [SOHOを支援する」機能というものを私は考えているので、すこしSOHO(SmallOfficeHomeOffice)についてふれておきたい。

 SOHOは、小規模な事務所や自宅を仕事場とする環境をいうのだが、インターネットを利用すること で場所を限定することなくビジネス展開が可能となる。そのようなことから、近年、女性を中心にSOHOが増えつつある。サテライトオフィスやリゾートオ フィスもSOHOだが、現在、SOHOのほとんどは在宅ワークである。エレクトロコッテージという言葉も最近聞かれるようになったが、これは在宅ワークを するためインテリジェント化した個人住宅のことで、インターネットのパソコン環境を十分整えたものである。

 A・トフラーが「第三の波」で展望したように、プロシューマーの時代がやってくる。アメリカでは、 最近の傾向として、サステイナブル・コミュニティーというものが注目を集めているが、これはSOHOを前提にした「自然派のための町づくり」である。我が 国においても、21世紀が「個の時代」、「自然再認識の時代」であることなどを考えれば、今後SOHOが急速に増えていくことは間違いない。

 SOHOは場所を限定しないので、必ずしも都市でないと成り立たないというものではない。大都市の 魅力は余りにも大きく、したがって・・・・大都市志向より自然志向・・・という自信は私にもないが、場所の限定から解放されるということは、正に画期的な ことであり、今後自然派にとって大変明るい希望を抱かせてくれる。

 JUUU−NETでは、ネットワークの力によって大いにSOHOの支援をしていきたいものだ。「バ ラバラでいっしょ」・・・これを合い言葉にして・・・・。

 

 

 

むすび

 

最後に、国領二郎さんの言っておられること(1998年1月9日、日本経済新聞、経済教室、21世紀 への設計図)を紹介して結びとしたい。

 

 「より多様な人間を接触させ、<知識の逓増現象を味方につける>ためには、日本 の組織はその内向的な性格を捨て、オープンなプラットホームの中での知識創造に参加していかなければいけないし、プラットホームの組織化プロセスにも参加 していかなければならない。開放系への転換をなし得た時、日本の社会が蓄積してきた英知は、国内外の多様な知恵と結合し、より大きな価値を生み出していく だろう。」


国領二郎さんの論文は、ここをクリック!