泰山府君(たいさんぶくん)

 

天人も閻魔も来て舞う花の影

 

昔の日本人は、桜を、

冥界と現世を結ぶ聖なる樹と思っていました。

桜の樹の下にうごめく怨霊たちの鎮魂のために、

花鎮めの祭りが始められたようです。

 

それが今の花見に繋がっている訳ですね。

ドンちゃん騒ぎは如何なものでしょうか。

本来花見は聖なるものなんですよ。

 

桜好きの桜町中納言(ワキ)の屋敷は今が花盛り。

あんまり美しいので、中納言は、

泰山府君(たいさんぶくん)に

花の命を延ばしてくれるように祈ります。

 

そこへ典雅な花盗人、天女(前シテ)も降りてきます。

 

泰山府君(たいさんぶくん)(後シテ)があらわれ、

花盗人探すと、

天上に戻っていた天女(後ツレ)がしおしおと降りてきて

舞を舞います。

 

 

そして桜の花は、泰山府君(たいさんぶくん)のパワーによっ て、

いっそう爛漫と咲き乱れ、その命も3倍に延びたのでした。

 

 

陰陽道の主神泰山府君(たいさんぶくん)は、

地獄の閻魔様と同じとも考えられています。

 

冥土の闇の力を吹きこまれてこそ、

桜は妖しくも美しく咲くのです。