多摩川源流日記
過日、「多摩川の源流を訪ねる会」で多摩川の源流を旅した。丹波山で泊まり、笠取山の水干(みずひ)神社にお参りする旅である。白装束こそしていないが、「六根清浄、お山は晴天」・・・・信仰の山登りにも似たすがすがしい源流登山である。
「多摩川の源流を訪ねる会」も会を重ねて今年で15年目になる。これを始めた三谷さんや梅田さんの最初の思いはまあたいしたこともなく「多摩川の源流はどうなっているのか? ちょっと行ってみるか。」という程度のごく軽い気持ちであったようだ。しかし、会を重ねる内に、多摩川源流のすばらしさに引き込まれて、今では、「多摩川沿いに住まう多くの人々が真の多摩川を知り、人の手によって、人の輪によって、クリーンな多摩川を復活させる先駆けにになればと思っています。そして、21世紀には、是非ともさらに美しい母なる多摩川を次の世代に手渡していきたいと思っています。」と言っている。すばらしい活動目標ではないか。
「富士に登るも一歩から」の喩え(たとえ)のように、何ごとも最初はあまりあれこれ考えずにともかく始めることなのであろう。堀内さんが「軽卒のすすめ」を言っておられるが、何か閃い(ひらめい)たら、一見軽卒に見えようともともかく始めるのがいいのかもしれない。西堀栄三郎さんの有名な言葉に「石橋は叩いて渡れない」というのがあるが、ともかくどんなことでもまずは始めて、・・・何となく続けてやっていれば、・・・・結果として、すばらしいものに育っていくということだ。ともかく始めることだ! 「多摩川の源流を訪ねる会」は、正にそういう会である。

当日は、いつものように川崎班と世田谷班とに分かれてバスで丹波山に向かった。途中、羽村堰を見て、奥多摩湖で昼食。丹波山では、中村文明さんが中心となってシンポジュームが開かれ、私たちも参加した。夜は「かどや旅館」でいつもの楽しい交流会だ。食べ切れないぐらいの山の幸に舌鼓(したづつみ)を打つのもいつもの通りだ。地元の奥さんたちがもてなしてくれる。すっかり恒例になってしまった。私は明日の朝が早いので少し早い目に寝たが、呑んべいたちは夜遅くまでワイワイガヤガヤやっていたらしい。
丹波山は夜の明けるのが遅い。次第にまわりが白々(しらじら)と白みはじめると、西の山がモルゲンロートに輝きはじめ、ようやく神々が目覚めはじめる。妖怪どもは身を潜め(ひそめ)、人々の生活が始まる。実際の生活は端(はた)から見るほどには豊ではないのかもしれないが、丹波山の生活は、その風土に恵まれてイキイキと輝いていると私には見える。

道ばたにはいろんな花が咲き乱れ、石造も美しい。河原の小川は美しくすがすがしい。やっと山の畑に日がさして、・・・・川もキラキラ輝きはじめる。さあ、一日の始まりだ!
さあ、それではこれから「多摩川の源流・水干(みずひ)」へ行こう! 登山口は、一の瀬高原キャンプ場の少し先の作場平(さくばだいら)である。バスで行くのだが、途中、尾崎行雄の碑の前で記念写真をとった後、国道からいよいよ一の瀬の渓谷の林道に入る。目眩(めくらみ)のするほどの大渓谷だ。よくもこんな急峻な渓谷にこんな道ができたものだ。ほとほと感心する。全国的にも有数の林道だろう。ひとしきり一の瀬渓谷の大景観を楽しみながら、一の瀬高原キャンプ場は「しゃくなげ荘」の横を通って作場平に向かう。
登山道はから松の林の中をゆるゆると登っていく。いくつかの沢を渡って、ゆっくりゆっくり登っていくのだ。体に心地よい疲れを感じながら登っていくのだが、やっぱり休憩のひとときはほっとする。梢と空がどこまでも美しい。しばらく登って、通称バス通りという平たんな道に登り着く。今日はいつになく富士山が美しい。 大菩薩嶺もすばらしい姿を見せている。「まゆみ」の花に見とれているともう笠取小屋だが、リュックサックを小屋においてただちに出発。空身(からみ)で行くのだ。20〜30分で多摩川の源流・水干(みずひ)に着くのだが、道はゆるやかでルンルン気分・・・。
さあ、着いた! 多摩川の源流は水干(みずひ)という岩からシミ出る一滴水である。これが水干神社の御神体になっているのだが、この水干(みずひ)の上に水神社の碑や水神社の祠がある。
水干(みずひ)からは笠取山に登るのが一般的なのかもしれないが、笠取山は急峻であるので、これを省いて、笠取小屋の付近を楽しむのいいかも・・・・.雁坂峠への分かれ道を過ぎて、笠取小屋に向かう。 雲取山へはこの道を行く。平たんで楽しい道だ。笠取小屋で大菩薩嶺を見ながらの昼飯はほんとうに夢のようだし、付近の散策は実に楽しい。春先に泊まりに来よう。多摩川源流の旅は「夢の旅」・・・、生きる喜びをかみしめる旅である。是非、皆さんにもおすすめする。
《お知らせ》
今回、この源流の訪ねる会の事務局をしている荒木稔さんは、『たまがわネット』言うホームページから
多摩川の情報を発信しています。多摩川で知りたいことがありましら、是非、連絡してみてください。
TEL03−5491−7476 メールアドレス office@tamagawa-net.org
ホームページアドレス http://www.tamagawa-net.org/tamawork/index.html
その他、『特定非営利活動法人 多摩川センター』というところも色々な情報を
知っていますので知りたいことがありましたら、是非、連絡してみてください。
TEL042−326−5135 メールアドレス tamagawa@mx2.ttcn.ne.jp
ホームページアドレス http://www2.ttcn.ne.jp/~tamagawa