栂尾(とがのお)高山寺
あかあかやあかあかあかやあかあかや
あかあかあかやあかあかや月
これが明恵の世界であり、栂尾(とがのお)高山寺である。
栂尾(とがのお)高山寺は、文化財の宝庫であり、
鳥獣人物戯画をはじめとして、
国宝・重要文化財は一万点に及ぶと言われている。
「世界文化遺産」にも登録されているのであるが、
私は、そういったことよりも、
明恵の<あるべきようは>の聖地として、
まずは、<阿留辺畿夜宇和>の碑を紹介したい。
<阿留辺畿夜宇和>の碑は明恵の御廟の
中にある。
バスを下りて少し高雄の方に戻ると表参道の入り口がある。
清滝川の清流に沿って周山街道が走っている。
今でこそ京の町からすぐだが、昔ははるか山の中といった所だ。
表参道に入ったすぐのところに石灯篭があり、
その立派なのに見とれているとついつい見落としてしまうが、
富岡鉄斎の筆になる「栂尾の碑」がある。
「栂尾の碑」を右手に見て参道を行く。
ほどなく本堂である。
静寂そのものだ。
明恵はこの付近のどこかで座禅を組んで修行に励んだのであろう。
想像を逞しくしながら本堂の空気に遊ぶ。
これはかの有名な「樹上座禅像」である。
見事なすわりっぷりである。
頭上に鳥が遊び、りすが遊んでい
る。
いや、この心境では、明恵が鳥であり、りすである。
もはや明恵も鳥もりすも
その区別はありはしないようだ。
「樹上座禅像」は石水院で拝見できる。
御廟から少し下ると・・・
我が国最初の茶園といわれる茶園があるが、
石水院がその向いにある。
明恵が暮らした庵である。
庵から見る東の山は実に美しい。
石水院での圧巻はいうまでもなくこの「樹上座禅像」だが、
もうひとつは明恵が常に連れていたという子犬である。
この子犬も見事である。