五味さんがんばれ!(生物ロボットの最近事情)

 

 

五味隆志さんという素晴らしい方がおられて、その方が生物ロボット を実際にお作りになっておられます。その方の話をお聞きしたのです。

 

「自民党・情報産業振興議員連盟」で・・・・。滅多に聞けないいい 話でした。今年は、年はじめから全く縁起がいい・・・そんな感じで あります。

 

五味さんは、もともとIBMか何かでコンピューターのプログラマー として2〜30年やってこられたようでありますが、MIT(マサチュ セッツ工科大学)のブルックス教授(現人工知能研究所長であり、人 工知能ロボットに関しては今世界最高のコンピューターサイエンティ スト)がまだ助教授か何かの頃に彼にお会いになってから転職をされ、 今のように「人工知能ロボット」の製造を始められたようです。

 

会社そのものは、15名ほどの・・まあいうなれば・・いまはやりの ベンチャー企業ですね。しかし、世界的にご活躍の・・・間違いなく ・・・ワールドエンタープライズ(世界企業)です。五味さんの会社 ・・・・アプライト・AI・システムズ社は、やっておられることもそうでありますが、会社の形態としても、正に21世紀型の会社で 。すばらしい。全く素晴らしいと思います。

 

ご承知のように、今「アウトソーシング」ということがごく当たり前 のように言われるようになりましたが、考えても見て下さい・・・日 立でも三菱でも、いや建設省の土木研究所のような国の研究所でも、 全く同じでありますが、肝心なのは何といっても「人」であります。

 

優秀な人がいないといい仕事はできない。五味さんのような方がおら れ、五味さんのやりたいように全く自由にやっていただいたとしたら ・・・日立でも三菱でも、土木研究所でも、・・・素晴らしいロボッ トが誕生することは間違いない・・・私はそう思いました。

 

 

私は、建設省で、技術開発の担当・技術調査室長をやっておりました のでよくわかりますが、建設省に関係することでいえば、がけ崩れ警 報装置等管理設備でも、掘削運搬等の建設施工機械でもどんどん素晴 らしい人工知能ロボットが誕生するはずです。何といっても土木の関 係では、危険作業とか苦渋作業が多いですからね。そういう人工ロボ ットが必要なんであります。しかし、そういう技術開発ができるかど うかは、結局「人」なのであります。五味さんのような人工知能ロボ ットのコンピューターサイエンティストが土木研究所にいるか?・・・ そりゃあ・・・いませんよ。

 

そこで考えるのでありますが、五味さんのような方は、・・・いくら 招聘しても私たちの建設省土木研究所のようなところにに来て貰え るわけでもないし、・・・・又その必要性もない。・・・・五味さん のような方は、どこかが独占するのではなく、広く・・・世界中で・ ・・活用させていただけばいいのではないでしょうか。これがいわゆ るアウトソーシングの本質であります。ブルックス教授もそうであり ます。21世紀は、そういう素晴らしい方が、国という垣根を超えて ・・・グローバルに活躍する世紀であります。これは素晴らしいこと ではありませんか。

 

 

一時、人工知能ロボットがもてはやされ、多くのベンチャー企業が誕 生したのでありますが、今ではほとんどが消えてしまったそうであり ます。アメリカでいえば、ピーク時には325ほどの会社ができたそ うでありますが、今では10ほどの会社しか生き残っていないそうで あります。邦人会社としては五味さんの会社とあと一つあるだけだそ うであります。カナダでは五味さんの会社だけだそうであります。

 

そのように聞きますと、最先端の素晴らしい研究者が15名頑張って いるのだろうと誰も考えるのでありますが、そうではなくて、・・・・ ・・15名の中には主婦もいるし学生も多いのだそうであります。カナダでは、コープ制度という 学生が企業に実習に行く制度があるそうでありますが、そのコープ制 度にのっかって数人の学生が働いているのだそうであります。世界の 最先端をいく企業に主婦や学生がスタッフとして働いている・・・何

と素晴らしいことではありませんか!

 

さて、五味さんの「人工知能ロボット」・・・これはまた「生物ロボ ット」といい換えても良いわけですが、これが何故素晴らしいのか。

 

・・・・一言でいえば、コペルニクス的転換があるから・・そういう ことだろうと思います。

 

今をときめく哲学者・中村雄二郎さんの哲学にならって、私は、「デ カルトはもう古い」とか、「<我思う故に我あり>ではなくて、これ からは・・・<我語るゆえに我あり>」だと言って参っておりますし、 先般も「旅のすすめ!」でも申し上げたように、これからは「共振の 時代」であり、「響き合う時代」であります。自分の城に閉じこもっ て・・・難しいことをじっくりと考えることも必要なときがあるとは 思いますが、そうではなくて・・・・相手との関係を重視し響き合う、 言い換えれば・・・相手に対応して即反応する。相手との反応こそ行 動の原理。つまり、相手との関係で自分が成り立っているのであり、 コミュニケーションこそ「21世紀文明の原理」である、・・・私は考えているのであります。・・・これはデカルト哲学の否定であり、 コペルニクス的転換であります。五味さんの人工知能の考え方、それ はブルックス理論がそうだということでありますが、デカルトの「知能の発生原理」・・・つまり「我思う」ところから人工知能ロボ ットの作動プログラムを組むと、どでかい頭脳になってしまうのだそ うであります。

 

それをブルックスの「知能の発生原理」・・・これは言い換えれば 「カオス」の理論ということのようでありますが、そういう理論に基 づいてプログラムを組めば、千分の一の大きさの頭脳で済むのだそう であります。

 

「カオス」というものは20世紀最大の発見であり、これが21世紀 の文明科学を創り出していくのだと言われておりますが、まあこれは 言ってしまえば0、1のデジタルの世界でもあるんですね。この宇宙 というものは、この宇宙に存在するすべてのものは、「フラクタル構 造」であり、それは、言うなれば0と1の世界なんですね。ブルック スの理論は、そういう「カオスの理論」に基づいているようでありま す。私もよくはわかりませんが、まあそんなことのようであります。

 

ところで、人工知能ロボットについて言えば、次のことのようであります。

つまり、今までのものは、「デカルトの知能発生原理」にもとづき、 まずセンサーでもって周囲の状況を検知し、認識し、いくつかのス テージ(段階)を経て最適解を見つけ出し、作動させるというやり方。

これは、多くの段階を次々をクリアーしていくという、言うなれば直 列的なプログラムの組み方なんですね。

 

これに対し、五味さんの人工知能ロボットは、そうではなくて、すべ てのステージ(段階)を同時に動かすんですね。言うなれば並列的な プログラムの組み方なんです。

 

一寸分かりにくいでしょうけれど、要するに、・・・・考えて何かを やるというのではなくて、「先のことは計算しないでとりあえずやる!」 ・・・そして「危険だと思えばともかく一寸身を引く!」・・・そう いう基本的な考え方に基づいたプログラムになっている。

 

そうですよね。先のことを考えても何が正解なのか良くわからない。

 

やりながら考えることですよね。ともかくその時点で良いと思うこと をやる。そして何かまずいことが生ずれば、それをともかく回避する。

 

勿論、当初から目標というものはないといけませんが、難しく考えても しかたない。経済予測でも何でも、予測なんてものは大体当たったため しはありませんからね。ともかく歩きながら考えることですよ。五味さ んの人工知能ロボットはそうプログラムされているんです。ですから、 五味さんのロボットは「進化」するんですよ。「進化するロボット」・ ・・これは素晴らしいことではありませんか!

 

私が五味さんを素晴らしいと思うのは、当然、以上のような科学者とし ての先端性にもありますが、より素晴らしいと思うのはその生き方であります。

 

秋田県の十和田湖に面し小坂長という町があります。鉱山の廃止にとも なって当然鉄道(同和鉱業小坂線)も廃止になりました。その駅を改造 し五味さんの会社があるんですね。町が五味さんの会社を誘致されたん です。

 

今では、五味さんは月に一回小坂町とカナダとを往復されているようで あります。何故五味さんの会社のような最先端の世界企業が・・あんな 僻地といっては小坂町に皆さんに失礼であるかもしれませんが、あのよ うなところに子会社を立地されたのか、それもに不思議なことでありま すが、私がより素晴らしいと思うのは、五味さんがその小坂町で老人ホームなどでボランティア活動をやっておられることであります。そして、 そういった実践活動の中から、人工知能を持った21世紀型の素晴らし い車椅子をお作りになっている。いやあ・・まいった!まいった!

 

21世紀は、梅棹忠夫流に言わせれば外胚葉産業つまり五感と関係する産業が発達するのそうでありますが、人工知能ロボット産業言い換えれ ば生物模倣産業というものが大成長すると言われております。五味さん のご活躍を願う次第であります。

 

五味さん頑張れ!

 


 

Iwai-Kuniomi