地域づくり語録


 地域づくり 第一集

<目次>
 ・里山、裏山の文化
 ・我が国の自然は世界に誇れる美しさ
 ・兼業農家とクラインガルテン
 ・神話は地域づくりの貴重な素材
 ・比婆さとやま公園を歴史のふれあい回廊の拠点に



里山、裏山の文化

中国地方の自然は、瀬戸内海、日本海、中国山地がそれぞれ素晴らしい個性を持っている。しかも、それぞれ地域の歴史・文化と深く関わっている。
中国山地は、ほぼ一様になだらかな山々で、数多くの盆地を抱えている。そこには古くからの生活と生活に溶け込んだ身近な自然がある。このような里山・裏山の自然は中国山地独特のものである。
日本人の伝統的な思想では、人工が自然を完成し、自然が人工を完成する。このような自然と人間との関係に根ざした山の文化は、日本文化の基礎を成してきた。山と山の神への信仰は、日本人の心の最も深層部に横たわる宗教感覚ではないか。
従って、里山・裏山の保全と整備にあたっては、そういった日本の伝統や、山の信仰も大切にする必要がある。中国山地は今後、世界の中で極めて高い評価を受ける可能性がある。
(1992年6/13・14歴史を活かした地域づくりシンポジウム)



我が国の自然は世界に誇れる美しさ

我が国は地形が急峻なために、国土の68%が林地です。林地の率は、フィンランドの森林率69%とほぼ同じです。世界屈指の森林国なのです。しかもその植生は、地形の変化に応じて、すこぶる変化に富み、美しい風土的な景観を示しています。我が国の自然というのは、中国地方に限らず、全般的に箱庭的であり、スケールの点でははるかに諸外国に及ばないものの、変化に富んだ美しさにおいては、はるかに勝っているのではないかと思っています。 また、広葉樹の中にも多くの針葉樹が天然分布しており、植生の種類も非常に多いのです。温暖帯に数多くの針葉樹が天然分布しているなどということは、世界的に見て非常に珍しい現象だとさえ言われております。日本の森林の特徴は、ズバリここにあります。 (1990年6/18吉田村視察懇談会)



兼業農家とクラインガルテン

全国的にみますと、大規模営農と言いますか、専業農家の育成が一つの流れになっています。中国地方を考えた時に、東北、その他と違いまして、どうしても兼業農家になってくるのではないかという気がして仕方ないわけです。一部例外的な岡山とか、耕地に恵まれているところはいいですけれども、そうでないところはやっぱり兼業農家となる。そうすると、何と兼業するかということを考えるわけです。
私は、やっぱり観光とか、レクリエーションとか、そういうことが一つあるのではないかと思えてならないのです。兼業農家を考えた時に、西ドイツのクラインガルテンが浮かびます。いろいろな制度が確立されており、さらに大きな自然がありますから、都市の人たちが来て、農村の生活を体験するだとか、自然の中で心の安らぎを感じるだとか、そういうことが行われているんです。クラインガルテンは勉強する課題ではないかと思っているのです。
(1989年12/6対談記録)



神話は地域づくりの貴重な素材

中国地方は、出雲神話の時代から今日に至るまで、その時々に歴史上かけがえのない舞台となってまいりました。それだけに中国地方の歴史的特性は、価値が高いと思います。
神話は言うまでもなく作られたものであって、歴史的事実をそのまま語ったものではありません。しかし、神話という具体的なイメージは、過去の出来事ないしその断片に基づいて作られているのでしょうから、全く歴史性がないとは言い切れません。また、神話が作られたものであると言っても、その時代の共同社会が必要としていたイデオロギーとか政治的な方向性が語られているのであって、その意味から言っても、全く歴史性がないとは言い切れません。このように、神話といえども、我が国の、あるいはその地方の歴史を語る上で、無視し難い側面を持っております。
私は、その地域の歴史的特性の中に、それを活かしていきたいと考えているのであります。ロマンある地域づくりを進める場合、中国地方は極めて有利な条件に恵まれているのであって、それを活用しない手はない、このように考えているのであります。
(1992年6/13・14歴史を活かした地域づくりシンポジウム)



比婆さとやま公園を歴史のふれあい回廊の拠点に

中国地方建設局で進められている国営・比婆さとやま公園は、相当の埋蔵文化財が眠っていること、また周辺が三次・庄原という極めて古墳の多い地域であることを勘案して、“歴史とのふれあい”というテーマを大きな柱としております。国営・比婆さとやま公園は歴史公園としての性格も持っている、ということです。
埋蔵文化財については、現状保存を図るよう基本計画を変更しました。開園後も発掘調査は続けるつもりです。そして、入園者には、発掘調査そのものを見てもらい、歴史を実感してもらおうと考えております。また、比婆さとやま公園は、中国地方における唯一の国営公園ですので、中国地方における歴史的資産に関する様々な情報を発信するようにしたい。さらに、中国地方における他の歴史公園との連携とか、歴史を活かした地域づくりと取り組んでおられる人たちとの交流を計画し、交流拠点にしていきたいと考えております。そして、国営・比婆さとやま公園を拠点として、中国地方における、ふれあい回廊というものの実現を目指していきたいと考えております。
(1992年6/13・14歴史を活かした地域づくりシンポジウム)

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・「ふるさと創生・ 新たな展開を期して」
1997'7'5'島根での講演

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