地域づくり語録


 地域づくり 第二集

<目次>
 ・歴史を生きる
 ・常に新しいニーズに
 ・国際化社会に対応できるのは地方
 ・平成はロマンの時代
 ・「美しき我が村」は河川から



歴史を生きる

中国地方は古代国家の形式過程で重要な役割を演じてきました。例えば、古墳時代、吉備では、増山古墳のような機内の大王墓に匹敵する規模の古墳が築造されております。出雲地方でも、その地域独特の古墳、方形墳というものが造られております。中世においても、平家の交流と滅亡、それに続く東国武士の進入と土着、さらには毛利氏の中国地方の統一、あるいは織田・羽柴軍との抗争など、中国地方は我が国の歴史を語る上で、欠くことのできない存在でありました。神話の時代から現代まで、それぞれの時代において、ドラマチックに面白い歴史を持っている、それが中国地方ではないかという気がします。
中村雄二郎先生は、「自分達の生きている時代や社会をより認識するために、また、込み入った問題、解決しにくい問題に対処して生きていくために、この時代、この社会をできるだけ相対的、多角的に映し出す鍵が必要だ。歴史とは、私たち人間にとって、まず何よりもそういう鏡ではないだろうか」とおっしゃっておられます。さらに、先生の言葉をお借りすれば、「私たちは身体を持つのではなく、身体を生きるのである。歴史についてもそれと同じように、私たちは人間として歴史を持つのではなくて、歴史を生きるのである。つまり、歴史とは、拡張された私たちの存在そのものだ」。
地域において歴史・文化を語ること、歴史・文化をテーマに、いろんな人々と交流すること、そして国際的視野に立って新しい地域文化の創造を目指すこと、それが“歴史を生きる”ということであります。
(1992年6/13・14歴史を活かした地域づくりシンポジウム)



常に新しいニーズに

マズローの欲求5段階説によりますと、人間の欲求には最も低次の生理的欲求から、高次の自己実現の欲求まで5段階の欲求がある。そして、低次の欲求がある程度満足されないうちは次の欲求が起きず、また逆に、低次の欲求をある程度充足している人は、必ずそれ以上の高次の欲求を求めて、然るべき行動を起こす、というのであります。こういったことは、成熟化社会に突入した我が国におきましては、国民のニーズにこたえていくという意味で、国づくりや地域づくりの面でも十分意識されなければならないのではないかと思います。従来の施策を踏襲しているだけではいけないのであって、新たな施策というものが常に求められる所以であります。
(1992年6/13・14歴史を活かした地域づくりシンポジウム)



国際化社会に対応できるのは地方

こんなこと言うと東京の人に叱られそうですけれども、東京を通さなくても本物をやっていれば世界とつながることができることがわかりました。
これから国際化社会でしょう。国際化社会に入っていくと、それに対応できるのは地方だと思うんです。事実、地方には日本文化が残っているでしょう。そういうものに外国の人は興味を持つわけです・東京へ行ってもニューヨークとあまり変わらないのです。だから、斐川町へ来たらびっくりするわけですね。日本らしいものがここにあるというので、多分びっくりしていると思うのですよ。
(1997年6/19斐川町視察懇談会)



平成はロマンの時代

私は、平成という時代の生き方と、あるいはこれからの地域づくりにおきまして、我が国の伝統文化、それから国際化、そしてそれらに根ざしたロマン、この3つのキーワードを重視したいと思っております。平成という時代とは、いわばロマンの時代であろう、こんなふうに考えております。
平成という時代は、都市におきましても、農山村におきましても、経済的な側面のみならず精神的なゆとりとか、安らぎとかいうものが追求されなければならないと思います。地域づくりにおきましても、経済的な側面での地域活性化のみならず、そういった人々の精神的充実を追求する必要があると思います。
私は、地域活性化の活と精神的な充実の充をくっつけまして「活充」という新語を作って、それを好んで使っているわけです。「地域活充化」というその言葉には、経済的な側面もさることながら人々の精神的な充実感を重視していきたいという思いが込められています。
(1991年10/15江の川文化圏会議三次サミット大会)



「美しき我が村」は河川から

自然は、やはり水と緑が二大要素だと思います。昔から日本人は水に神霊を感じ、水と共に生活してきました。人の一生も水に始まって水に終わります。水と緑は生命の根源で、人はそれを美しいと感じ、心の安らぎを感じるのではないでしょうか。
そういう人間の感受性の深層部分を震わせるような素材が水と緑、特に「水」です。これを題字にして、美しき我が村作りの中心テーマに据えられなければならないと思います。地域の水とは、池、小川、滝、噴水などさまざまですが、やはり中心となるのは河川です。 河川の特徴を整理すると、まず1つめは水、土、石、魚、昆虫、鳥、草花、樹木など多様な自然を持っているということです。
2つめは「静」と「動」があり、川には瀬も、淵もあるということ。普段静かに流れている川も、一度洪水となれば激しく流れます。
3つめは河川は歴史的に地域と共に移り変わるということ。そこには文化があります。いわば地域の顔です。
4つめは、河川は線的広がりを持っているため、地域の水と緑のネットワークを形成する際の主軸ということです。
5つめは、河川は地域の景観上、かけがえのない風景を与えてくれるということです。
このように河川というものは自然の中核で、しかも身近なものです。これ以上、身近な自然というものはありません。
(1991年9/14・15神戸川流域シンポジウム)

地域づくりの哲学

  ・随想
  ・講演
  ・論文

地域づくりの実践

・「ふるさと創生・ 新たな展開を期して」
1997'7'5'島根での講演

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